2010年10月19日8:15
「地域で囲い込め!ICカードのポイント・販促活用に迫る」~杉並区(1)
杉並区が電子地域通貨事業を来秋スタート
5年以内に3,000加盟店、40万人の利用を目指す
杉並区では2011年11月から、地域経済の活性化とコミュニティの醸成を目的とした新たな取り組みとして、ICカードを利用した日本初の「電子地域通貨事業」をスタートする。まずは、区内共通商品券やプレミアム付き商品券、長寿応援ポイントなどを区内で利用できる電子地域通貨として発行する予定だ。
11月18日に第一回委員会を開催
キーワードは「自立」と「協働」
杉並区では10月18日に杉並区役所で「第一回杉並区電子地域通貨推進委員会」を開催し、日本初の「電子地域通貨事業」の概要やビジョンを発表した。
同事業の推進委員長は杉並区長の田中 良氏が務め、イオン、ぐるなび、杉並区産業協会、杉並区商店会連合会、西武信用金庫、セブン・カードサービス、学校法人高千穂学園高千穂大学、東京商工会議所杉並支部、ビットワレット、JR東日本、ヤマト運輸の担当者が推進委員として名を連ねた。また、慶應義塾大学大学院教授の金子郁容氏、北海道大学大学院教授の西部 忠氏がアドバイザーを務めている。
低迷する地域経済の活性化と希薄化するコミュニティをどう再生するかは全国的に大きな課題となっている。杉並区においても例外ではない。長期にわたる経済の低迷が国内産業や区内の消費にも影を落としている。また、昨今では高齢者の行方不明者問題が発生するなど、区民の暮らしを支えるコミュニティのあり方が各自治体の課題となっている。そのため、地域経済を循環させる仕組み、地域経済の自立に向けた取り組み、コミュニティ支援の方策が必要であると考え、杉並区では電子地域通貨事業をスタートする。
同事業のキーワードは「自立」と「協働」だ。区では自立には2つの意味があると考えており、「地域商店街が行政の支援を望まずとも創意・工夫・意欲を持って主体的にこの事業に取り組んでいく」ことが第1点。2つ目には「事業そのものが自立していく必要がある」と考えている。そして、「地域活性化という社会的課題を産・官・学の連携により解決していく」協働の理念も重要になる。
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