2010年10月20日14:27
ギフトカードの低価格端末で勝負に出る
MCSとの連携でセンターの共同展開も視野に
凸版印刷はモバイル・コマース・ソリューション(MCS)と連携し低価格端末を発売する。両社ではともにギフトカードのASPサービスを提供しているが、今後は中小規模店舗数を持つ企業を中心に端末を売り込むとともに、ギフトカードの拡販でも連携する。
NTT PCの「IP-WARP」を採用し
ハイセキュリティな決済を実現
凸版印刷では2005年から「ギフトカードASPサービス」を展開しているが、システムを導入する企業は百貨店やセレクトショップ、映画館など大口の企業が中心であった。そのため、POSやクレジットカードのネットワークを利用する企業を中心に販売を行っていた。一方、モバイル・コマース・ソリューション(MCS)でもギフトカードのASPサービス「リローダブルカードサービス」を展開している。
「弊社のこれまでの弱みとしては、据置の安価な端末を希望されるお客様の要望になかなか応えられなかったことです。そこで、決済端末のノウハウがあるMCS社と連携して、低価格な端末を開発することにしました。」(凸版印刷 情報コミュニケーション事業本部 トッパンアイデアセンター マーケティング本部 ID・決済ビジネス企画部 バリュープロセッシングチーム 藤谷亮次氏)
具体的にはMCSが開発した端末に、凸版印刷が重視するセキュリティ要件などを付加して販売する。
「他社が提供する端末との一番の差別化は『セキュリティ』です。NTT PCコミュニケーションズが提供する独自トンネリング技術を用いたVPN機能「IP-WARP」により、インターネット環境で、専用線のようなイメージで決済が行えます」(藤谷氏)
同技術により、端末を設置するだけで、すぐにギフトカードのサービスを利用することが可能になるという。また、要望によっては電話回線(ISDN/アナログ)を使用した決済も選択できるという。
MCSとの連携で100社以上の加盟店に接続へ
2013年までに30社の採用を目指す
競合との差別化要因としては、「弊社とMCSの両方のセンターにつながる点も挙げられます。今後はギフトカードモールの普及やギフトカードを展開する企業が共通で利用できる決済システムの登場が期待されていますので、両社で共同に利用できる手法についても検討していきたいと考えています」と同社情報コミュニケーション事業本部 トッパンアイデアセンター マーケティング本部 ID・決済ビジネス企画部 事業開発チーム 高橋亮氏は説明する。現状でも両社のサービスを合わせれば100社以上のサービスと接続できるという。
端末の大きさも幅116.7×高さ91×長さ200mmとコンパクトなサイズを実現。端末本体価格は買い取りの場合で1台7.2万円となり、レンタルでの提供にも対応する。「まずは2013年までに30社の採用を目指したい」と同社 情報コミュニケーション事業部 事業戦略本部 販売促進部 永野武史氏は目標を語る。
現状は磁気カードのみの対応となっているが、今後はICカードなど他媒体への対応も検討している。ただ、クレジットカードなど、それ以外の決済に対応することは、端末の仕様面などのハードルが上がり、高コストになるため考えていないという。藤谷氏は「今後も導入企業の負担を少しでも軽減できる端末の開発に力を入れていきたい」と力強く語ってくれた。