2019年1月4日12:42
ここ数年、賽銭や御札・お守りといった授与品の支払いを電子マネーやアプリ決済で行うことができるニュースが増えている。2018年12月25日からは、徳島県阿南市の四国八十八ヶ所霊場第二十二番札所の宗教法人平等寺で「Amazon Pay」や「d払い」が可能になったと話題となった。
ペイメントナビ編集部では、初詣において、決済やポイントと関連したサービスでお納めするサービスを取り上げてきた。2017年は、賽銭を電子マネー「楽天Edy」で行える愛宕神社(東京都港区)、およびポイントカード付き御守が配布されている浅草神社(東京都台東区)、2018年は、御札・お守りといった授与品をクレジットカード、電子マネー、アプリ決済でお納めすることが可能な市川本光寺(千葉県市川市)を紹介した。
筆者は2019年、千葉県木更津市にある八剱八幡神社(やつるぎはちまんじんじゃ)を参拝した。八剱八幡神社では、2018年10月1日から、君津信用組合(千葉県木更津市)と、木更津市および木更津商工会議所が商用展開を開始したスマートフォンによる電子地域通貨「アクアコイン」で賽銭ができたり、御札・お守りといった授与品のお納めが可能だ。
「アクアコイン」は、スマートフォンの専用アプリをダウンロードし、「1円=1コイン」として金額をチャージしたうえで、木更津市内の加盟店に設置してあるQRコードを読み取り、利用代金をキャッシュレスで支払うことが可能だ。地元密着の店舗に加え、木更津市のセブン-イレブン等コンビニエンスストアでの支払いも可能となっている。
八剱八幡神社は、地元では「八幡さま」の呼び名で親しまれており、筆者が訪れた日は、正月三が日ということもあり、長蛇の列ができていた。筆者も1時間30分ほどかけ、神前にたどり着き、人生初の電子地域通貨でお納めした。
賽銭箱の左右には、「アクアコイン」のシールが貼られている。筆者はアクアコインのアプリを立ち上げ、「支払う」ボタンを押し、QRコードを読み取り、シールの二次元コードを読み取ってから、賽銭を行うコイン数を入力。通常は店舗のスタッフがその金額を確認するが、筆者が自らコイン数を確認し、アプリボタンをスライドして賽銭を行った。
また、賽銭に加え、御札・お守りといった授与品もアクアコインでお納めすることが可能だ。御札・お守りを選ぶと、巫女さんが提示したPOPのQRコードを読み取り、コイン数を入力。その金額を巫女さんに確認してもらい、アプリボタンをスライドしてお納めした。
アクアコインは、君津信用組合の窓口、市内設置のチャージ機で入金が可能だ。筆者は事前に木更津市観光案内所のチャージ機で入金したコインを利用した。
アクアコインは、2018年10月の商用開始時点では310店舗でスタートしたが、その後も順調に加盟店が増え、現在は400店舗を超えているそうだ。モバイルに加え、本格展開時からプリペイドカードも販売されている。今後は、入金上限額の引き上げや利用者間の送金機能の提供を予定しているほか、平成31年度にはコミュニティの活性化を促す木更津市の行政ポイントの提供を計画している。ペイメントナビでも無料の啓蒙書「カード決済&リテールサービスの強化書2019」で同取り組みを紹介する予定だ。
なお、2019年の参拝において、ペイメントナビ編集部では、“日本のカード業界のさらなる発展”をお祈りした。ペイメントナビでは、カード情報啓蒙サイトとして、2019年もさらに充実した情報を発信し、決済やポイントサービスなど、カード業界活性化・健全化に貢献できるように努力を惜しまず邁進していきたい。