2019年1月23日21:00
デジタルセキュリティベンダーのジェムアルト(Gemalto)は、2019年1月23日、AT&T通信網において利用者のIoT接続の実現に向け、同社のCinterion(シンテリオン) LTE-M IoTモジュールにeSIMを組み込んだ「Cinterion EMS31」を発表した。
同ソリューションにより、IoTモジュール製造後のSIMカード搭載が不要になり、OEMによる開発の効率化に加え、IoT導入のコストと複雑さを低減するという。さらに、eSIMが組み込まれているため、セキュリティアップデートの継続実施が可能になり、セキュリティレベルが最高水準に維持され、IoTソリューションの長期利用ができるとしている。新しいモジュールのサンプルは提供済みであり、近日中に量産出荷を開始する。
eSIMを統合したCinterion EMS31 LTE-Mモジュールを導入する AT&T通信網の利用者は、SIMカードを追加購入し取り付けることなく、省電力広域無線通信(LPWAN)の電力および帯域効率の恩恵を享受できるそうだ。従来のSIMカードに比べ90%以上も小さいeSIMは、ウェアラブル機器あるいはトラッカー製品など限られた容積の中で、より大きなバッテリーが必要になる製品に適している。統合すべきコンポーネント数が少ないオールインワンのeSIM IoTモジュールは、開発労力を軽減し、より短時間での市場投入が可能になる。さらに、拡張性が容易になり、総部品数(BOM)も削減できるとした。
製造段階でSIMをIoTモジュールの深部に内蔵することで、熱および振動への耐性を高めるだけでなく、耐タンパー性の向上にもつながるという。オプションとして、セキュリティレイヤを提供する組み込みセキュアエレメント(eSE)機能を追加し、高度なセキュリティが確保されたボールト(Vault)にデータを保存し、認証されたアプリケーションとユーザーのみがデータを共有できるように設定することもできる。