2019年4月24日7:00
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯3社は、2019年4月23日記者説明会を開催し、携帯電話番号だけでメッセージがやりとりできる「+メッセージ」の機能拡充を5月以降に行うと発表した。また、ジェーシービー(JCB)、東京海上日動火災保険、日本生命保険相互会社、野村證券、三菱UFJ銀行の金融5社、およびトッパン・フォームズは、金融機関横断の共通手続きプラットフォームの構築に向け、検討を開始した。
「+メッセージ」上に企業の公式アカウントが表示
「+メッセージ」は、2018年5月にサービスを開始。GSMAで標準化されている「RCS(Rich Communication Services)」に準拠したメッセージサービスで、SMSの進化系としてサービスを追加できる。携帯電話番号だけでメッセージのやりとりが可能で、長文や写真・動画の送信にも対応している。現在、利用者数800万人を突破。また、携帯番号が書き込まれたSIMにより、高いセキュリティ耐性を実現させている。
今回のアップデートにより、「+メッセージ」上に企業の公式アカウントが表示され、利用者は企業とメッセージがやりとりできるようになる。さらに、企業の公式アカウントには携帯3社それぞれの審査を受け、認証を得たことを示す「認証済みマーク」が表示されるという。
具体的なユースケースとして、銀行から住所変更の案内が届き、メッセージ上からそのまま手続きができるという。また、携帯電話会社からの契約内容のサポートを届けることも可能だ。さらに、レストランの予約やリマインドなどにも活用できる。利用方法は、公式画面での検索、ウェブサイトから、QRコードを経由する形などを想定している。
金融機関の住所変更、災害時サポート、口座振替申し込みなどを一括提供
当日は、JCB、東京海上日動火災保険、日本生命保険相互会社、野村證券、三菱UFJ銀行の担当者も登壇し、金融5社間において、業務や事務を共通化し、顧客利便性を向上させるための検討を開始したことも発表した。
現状は窓口、ウェブ、電話、郵便など、企業ごとのコミュニケーションで事務手続きを行っており、たとえば、転居時など、利用者は複数の金融機関とのやり取りが発生するなどストレスを感じている。そのため、利用者目線でコミュニケーションを円滑にする方法を考えていくという。
住所変更、災害時サポート、口座振替申し込みなどを一括して提供するが、共通手続きプラットフォームの構築はトッパン・フォームズが担う。トッパン・フォームズ 代表取締役社長 坂田 甲一氏は、「共通手続きプラットフォームの構築、管理、運営を通じて、お客様と事業者の双方向コミュニケーション確立に向けて下支えする覚悟です」と意気込みを見せた。同社では、2019年度内にサービスをローンチさせたい考えだ。また、ジェーシービー イノベーション統括部長 久保寺 晋也氏は、「+メッセージは新たなデジタル接点として期待しています」と語った。