2020年1月17日8:00
1977年に設立されたイタリアのSIAは、カード・ペイメント、ネットワークサービス、ブロックチェーンなどのサービスを展開している。主に、金融機関、中央銀行、企業、公共部門向けの技術とサービスを提供する。2018年には、30億件を超える決済、72億件のカード取引を処理している。また、10億の金融取引と1,204テラバイトのデータをネットワーク上で伝送した実績がある。2018年は、6億1,480万ユーロの収益を上げている。
SIA S.pA. マーケティング&セールス ディレクターのEugenio Tornaghi氏によると、同社では質の高いサービスを最後まで提供できることが強みとなるそうだ。現在、75%のビジネスをイタリアで展開。また、SIAグループは50カ国でサービスを提供するグローバル企業でもある。
支払い分野ではVisaやMastercardといった国際ブランドの処理に加え、即時取引決済システムとなるインスタントペイメントも提供しており、オープンバンキングの採用と管理を支援している。また、カード発行分野では、プラスチック、鉄、木などさまざまな素材を使ってイシュアを支援しているそうだ。
鉄道分野ではイタリアのミラノやローマ、ナポリでのチケッティングシステムを支援している。2019年9月には、ローマでスマートフォンによるクレジットカードとデビットカード(Mastercard、Visa、American Express)を使用して、乗客がローマの地下鉄と鉄道ネットワークにより、チケットを改札で支払うことができるデジタルプラットフォームを提供したと発表した。すでにミラノやベネチアでも同技術が採用されており、ミラノでは旅行者がクレジットカードを期間限定パスのように使用することも可能だ。また、ナポリでも地方公共交通機関のチケットの支払いのための試験がスタートしている。
現在、イタリアでは約8割の人が現金決済を行っている現状がある。キャッシュレス化に向けた障壁は高いが、Apple Pay、Google Pay、Samsung Payといったモバイルを使った支払いをより便利に、簡単にすることで利便性を高めている。近年では、少額の支払いもモバイル決済で支払われるようになっているため、徐々にキャッシュレス化が進んでいるという。
Tornaghi氏は、「イタリアでは80%が現金ですが、そのパーセンテージを逆転したいと掲げています。多くの銀行や国の信頼を得て、より多くのマーケットに支払いを広めて、あらゆる物やサービスに対して決済できることを2~3年の目標としてビジネス展開をしています」と語ってくれた。
※取材は2019年11月6~8日までイタリア・ミラノで開催された「Il Salone dei Pagamenti~payvolution~」にて