2020年3月4日8:00
セキュアでマルチなハイブリッドサービスでキャッシュレス化を強力に支援
ICカード発行枚数で国内屈指の大日本印刷株式会社(DNP)は、クレジット・デビット・プリペイドのすべてに対応したカード発行、多機能な決済機能・ポイント機能を提供する「DNPマルチペイメントサービス」、Apple Pay(アップルペイ)・Google Pay(グーグルペイ)に対応した「クラウドペイメントサービス」など、決済にかかわる全方位なサービスを展開している。その強みを生かし、運用型決済サービスでナンバーワンのポジションを目指している。
全方位でカード会社や加盟店を支援
キャッシュレス推進の一翼を担う
大日本印刷(DNP)は、同社の強みであるカードとモバイルに加え、裏側の基盤・プロセッシングとセキュアなメディアをマルチに持っている利点を生かした新しいユーザーインターフェイスの構築を目指す方針だ。スマートフォン、ウェアラブル端末といったカード以外の媒体にカードの機能を発行するほか、今後は生体認証やAIスコアリングなどを使った新しいインターフェイスを事業のコアとして拡大していく。
情報イノベーション事業部 C&I センター マーケティング・決済プラットフォーム本部本部長の土屋輝直氏は「今年は『カード&モバイル』や、『ハイブリッド』といったコンセプトを打ち出していきたいです」と意気込みを見せる。
こうしたコンセプトを掲げる背景には、ユーザーの多様化が進んでいることがある。キャッシュレスを社会に浸透していくとき、そのユーザー領域は子どもからシニアにまで広がっていく。このとき、若い世代はモバイルを好む一方で、シニア世代はリアルのカードを好む傾向にある。これらの世代間の好みをシームレスにつなぐコンセプトが重要となってくる。
DNPは、カード&モバイル、ハイブリッドといった事業のコンセプトや強みを発揮し、いち早くこうしたニーズに応えていく。家族間の送金もユースケースに含まれる。多くの人たちが使いやすい形で、サービスのコンビネーションを盛り込んだ「ユニバーサルサービス」を実現するため、裏側で連携した複数のプラットフォームをDNPが提供していく。
新しい取り組みは、すでに動き始めている。具体的には、カード・モバイルを会員が持つ1つのID番号から、自由に出し分けられる仕組みが挙げられる。DNPは、カード番号を保持しているデータセンターと、発行のための電算センター、実際の工場の発行機を持ち、これらをシームレスにつなぐことができる。スムーズにワンストップで、必要な部分の機能やサービスを提供できる。
土屋氏は「こうしたワンストップサービスが実現できるのはDNPの他にはありません。キャッシュレスはニーズが高まっていますが、30代~40代のコアなユーザー層以外にも広げていくことで、全体を底上げすることが求められる1年になると考えています。キャッシュレス・消費者還元事業、マイナンバーによるマイナポイントといったインセンティブ以外の部分にも脚光が集まるはずで、今年はまさに真価が問われます。キャッシュレス推進の一翼を担っていきたいです」と決意を口にする。
カードが好きな顧客に対してはカードサービスを提供し、モバイルが好きな顧客に対してはモバイルサービスを提供し、「Apple Pay」、「Google Pay」の双方に対応できるなど、全方位的なサービスを展開できるのも、DNPの強みだ。ウェアラブルなどの新たな活用シーン、幅広い年齢層をシームレスにつなぐほか、データ利活用についても、デジタルマーケティングチームと連携して、具体策について検討を進めている。
土屋氏は「こうしたサービスを展開し、運用型決済サービスでナンバーワンを目指していきたいです」と目標を語った。
引き合い増えるブランドプリペイド
ブランドデビット発行も支援
ブランドプリペイド・デビッドについても、キャッシュレス化の波を取り込み始めている。ブランドプリペイドは業界トップの地位を盤石なものとする一方で、後発のブランドデビッドでは追い上げを続ける。
情報イノベーション事業部 C&I センター マーケティング・決済プラットフォーム本部ブランドペイメント企画開発部部長の廣澤惠司氏は「2019年前半はQRコードの盛り上がりが目立っていましたが、秋以降はブランドプリペイド、ブランドデビットの引き合いが増えています。これまでは金融系の顧客が多かったですが、スタートアップ企業などにも顧客が広がり始めています」と成果を述べる。
モバイルペイメントからマルチペイメントとの連携まで、多岐にわたるサービスを展開しており、その豊富なリソースを連携させることでDNPの強みを生み出している。2020年度中には、モバイル、マルチペイメントサービスとの連携による新サービスのリリースを控えているという。クレジットカードブランドのタッチ決済の普及を見据え、非接触に対応するモバイルサービスの展開を検討する顧客が増えているという。
廣澤氏は「決済プラットフォームは、さまざまなサービスとつなぐことで、シナジー効果が出てくるステージに入っています」という。
ブランドプリペイドは、企業のマーケティングとの連携が重要になる。ポイントサービスや、データ利活用などがカギを握り、決済データから得られる情報をもとに新しいサービスの開発にも取り組む方向で、さまざまな仕掛けを考案中だ。
市場としては、モバイルなどのキャッシュレス決済が伸びており、銀行口座と紐づいたサービスが注目を浴びている。その中でもブランドデビットは若年層からシニアまで幅広いユーザーを取り込むポテンシャルを持っており、銀行のキャッシュレス戦略に欠かせない商品の一つとなっている。DNPのブランドデビットプロセッシングに多様なサービスを連携させることで、魅力的なブランドデビットサービスを実現しシェア拡大を図っていく。
■お問い合わせ先
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