「New Days」でSuica等でのセルフレジの利用率が2割を超える(JR東日本リテールネット)

2020年3月18日8:00

武蔵境駅nonowa改札口にキャッシュレス・無人決済店舗をオープン

JR東日本リテールネットは、JR東日本の鉄道駅にあるエキナカのコンビニエンスストア「New Days(ニューデイズ)」において、Suicaなどの交通系電子マネーを利用して、顧客自身で会計できるセルフレジを設置しており、その台数を徐々に増やしている。同取り組みの現状と今後の展開について、話を聞いた。

JR 東日本リテールネット 営業本部 コンビニエンス
営業部 イノベーション推進課 課長 島村 尚男氏

Suicaの利用率は54.3%
セルフレジの利用率は2割強に

「NewDays」では、顧客利便性向上に向け、交通系電子マネーに対応したセルフレジを2019年12月末時点で、292店舗に429台を導入。また、「New DaysKIOSK」では、104店舗に105台を導入している(JR東日本社内利用に限定したオフィスキオスク54店舗に55台を含む)。

JR東日本では、かざすだけで便利に支払いができるSuicaなどの交通系電子マネーの利用を推進しており、NewDaysでも便利に利用されている。2019年12月末時点で、NewDaysの交通系電子マネーの利用は54.3%となり、クレジットカード(2.2%)を合わせると56.5%。現金(43.5%)比率は低下している。

これまでの成果として「決済スピードが現金よりも早いことからクイックニーズに対応できています。ペットボトルやおにぎりなど、あらかじめ買われる商品が決まっていれば、明らかに自分で商品をスキャンしたほうが速いです。2019年12月末時点のNewDaysでのセルフレジ利用率は、全ての営業時間帯平均で20.1%であり、2018年度平均と比較すると8.2%増加しています」とJR東日本リテールネット 営業本部 コンビニエンス営業部 イノベーション推進課 課長 島村尚男氏は成果を述べる。

JR東日本では、他のコンビニエンスストアに先駆けセルフレジを導入してきたが、導入時はベンダーと細かい打ち合わせを実施。バーコードを読み取りやすくしたり、二度読みをしないように意識して改良を重ねた。導入当時はセルフレジの利用に慣れていない人も多く、割引なども含め消費者への訴求を行った。

セルフレジの利用が多い時間帯は、通勤のピークタイムである6時~9時だ。島村氏は「例えば客数が1日1,000人の店舗の場合、セルフレジ利用率が8.2%増加したことで、約82人が有人レジからセルフレジに移行をしています。決済に要する時間を30秒として試算すると2,460秒(約41分)スタッフのレジ業務が削減されますし、レジ混雑により購入を見合わせていたチャンスロスを防止できます」と話す。

一方で、現状のセルフレジに対しての課題も挙げる。既存の店舗においては、レジカウンターの広さを確保できないケースも多く、通勤・通学の混雑時に対応するために、カウンターの設置物を見直してスペースを捻出し、有人レジをセルフレジに置き換えている。新規店舗においては、設計時点からセルフレジを図面に落とし込み、可能な限り複数台を設置している。

石川町と川崎で現金決済可能なセルフレジ
無人決済店舗は盛岡駅にもオープン

同社では、セルフレジを活用したキャッシュレス・無人決済店舗をNewDaysとして初めて 2019 年7月30日に JR 武蔵境駅nonowa改札口にオープンした。島村氏は「武蔵境駅の店舗は、Suica専用改札の脇に立地し、チャージ機もあるため、出店できる条件が整っていました」と話す。利用者側のメリットとして、現金を持ち歩かずに済むことや店員とのコミュニケーションの必要がなく、自身のペースで購入ができることが挙げられる。また、店舗側では、キャッシュレスにより現金を伴う業務が不要になったことで、品出し等の時間が捻出できた。

武蔵境駅の店舗は、多くのメディアで取り上げられSuica決済を使用したキャッシュレスの便利さが広く伝えられた。一方で、交通系電子マネーとクレジットカードを使用可能としたことにより、通常のセルフレジよりも1アクション選択項目が増えたことで、慣れている人が操作に戸惑う場面も見られた。また、高齢者を中心にキャッシュレスでの決済ができずに購入に至らなかった人がいたのは事実であった。武蔵境の事象を踏まえて2019年10月および11月に石川町駅及び川崎駅のそれぞれ1店舗において現金も使用可能なセルフレジを導入し、検証を行っている。

JR 武蔵境駅nonowa 改札口にオープンしたキャッシュレス・無人決済店舗

 

盛岡駅でも無人決済店舗を運営
QR/バーコード決済の導入を検討

島村氏は「通勤・通学に限らず観光目的のお客様を考慮すると、複数の店舗のうち1店舗をキャッシュレス決済専用にするといった運用を想定しています。最近では2019年11月28日に盛岡駅の新幹線ホームにおいて休業中であったNew Days KIOSKを武蔵境駅店舗と同様に決済方法を交通系電子マネーとクレジットカードとしたキャッシュレス店舗として再開しました。今後は他駅においても立地を踏まえ、収支に合う条件の中で出店していきたいです」と話す。

なお、NewDaysでは、Suicaに加え、ビューカードをはじめとしたクレジットカード支払いに対応しており、サインレスで決済可能だ。決済方法については、Suicaが主体であることに変わりはないが、幅広い決済の選択肢を求める声もあるため、QR/バーコード決済等の導入を検討している。

カード決済&リテールサービスの強化書2020より

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