日本NCR、キャッシュレスなどデジタル戦略による店舗での買い物体験の強化を支援

2020年7月22日8:20

日本NCRは、2020年7月2日に、PayPay、ロコガイドの3社共同で、消費行動の変化と、小売業を左右する最新キャッシュレス動向について、オンラインセミナーを開催した。

2020年6月、消費税率引き上げに合わせて需要平準化対策としてスタートしたキャッシュレス消費者還元事業が終了した。同セミナーでは、まず電子チラシアプリ「トクバイ」を運営し、地域ユーザー分析なども行うロコガイドから、マーケティング部 竹下 浩一郎氏が講演した。竹下氏は、小売におけるキャッシュレスの動向と消費者の利用動向について紹介した。次いで、スマートフォン決済の普及を目指すPayPayから、営業統括本部 営業本部 チャネルセールス部 部長 安藤 祐一郎氏が同社のキャッシュレス事業の取り組みについて説明した。

7月2日に開催された「還元終了、これからのキャッシュレスについて」

米国では「キャッシュレス」「オンライン融合」による買い物体験向上が進む

日本NCRのセッションでは、海外のキャッシュレス事情や同社の取り組みをマーケティング本部 マネジャー 井上 謙二氏が紹介した。

日本NCRは、POSシステム、店舗システムを提供する企業で、今年は日本で設立100周年となる。全世界共通でフィジカルなシステムをデジタルシステムによって強くしていくことを掲げている。また、昨今の新型コロナウィルス感染拡大により、経済活動の制限下、また今後形成されるニューノーマルの中でも安心・安全な店舗運用が継続でき、新型コロナウィルスの感染拡大によるビジネスインパクトを最小限にする「ビジネスを止めない、止まらない」支援を行っている。

日本では、小売業上位15社中5社、また上位120社中29社とPOSシステム、セルフレジもしくは流通業向けソリューションの実績がある。幅広い業界で大手企業に導入しており、特にセルフレジでは、東芝テックと並んでトップシェアベンダーとして広く認知されているとした。

日本と米国のキャッシュレス化比率の比較として、2016年を比較すると、日本は19.8%、米国は46%と2倍以上の開きがある。米国でキャッシュレス化が普及の進んだ背景として、広大な土地のため、現金を引き出す煩わしさが要因として挙げられる。また、一部の地域では治安やセキュリティの不安がある。さらに、現金は盗難されると補償が無いが、キャッシュレスは補償対象となるケースがあることも理由として挙げた。一方で、低所得者の一部での信用不足や、ホテルやレストランのチップ文化から、現金とキャッシュレスの併用が長らく続いている。

米国では、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)によるパンデミック発生によって環境の変化が起こり、キャッシュレス化をさらに後押しさせている。現金を「触りたくない」という不安要素、外出規制・外出自粛によるオンライン消費の拡大などが、46%のキャッシュレスをさらに後押ししている状況だ。一方で、キャッシュレスは必要な要素の1つだが、COVID-19パンデミックの前から、Amazonをはじめとするオンラインビジネスの脅威が始まっており、「店舗 対 店舗」の競争に加え、「店舗 対 EC」の競争に備えていないと淘汰されるという危機感が生まれている。昨年の後半から大手チェーン店でも店舗閉鎖が起こっているが、チェーン店が取り組んでいるのはデジタル戦略で、「キャッシュレス」と「オンライン融合」による買い物体験の向上が進んでいるとした。

世界最大の小売りチェーン、ウォルマートのデジタル戦略

NCRは、グローバルで世界中の名だたる流通企業に採用されている。中でも、世界最大の小売りチェーンであるウォルマートとパートナーシップを組んでいる。ウォルマートの成功の要因は、スピーディーに新たなソリューションを導入し、さまざまな成功・失敗を繰り返しながら、店舗のバリューを生み出し続けることにあるという。

北米流通チェーンの最新モデルケース(出典:日本NCR)

ウォルマートは近年、自社の店舗戦略を変化させている。2015年ころまでは100店舗を出店していたが、昨年は10店舗を下回り、今年の予想ではマイナスに転じると言われている。ただ、投資額は増えており、中でもデジタル戦略を強化している。それをNCRでは「顧客体験の再定義」と呼んでいる。

購入前プロセスでは、スマートフォンアプリにより、買い物体験が高められるようになった。オンラインで注文を受けた場合は、店員がオンラインの注文に対して在庫からピックアップする専任の人員が配置されている。また、店内では、スマートフォンで商品のバーコードを読み取って商品を認識したり、セルフチェックアウトも導入が進んでいる。さらに、セルフレジ100%の店舗も展開を進めている。配送・受け取り方法の多様化では、予めオーダーしたものを「ピックアップタワー」で受け取る、もしくは、「カーサイドピックアップ」などを行うことができる。

これらの取引はキャッシュレスを前提にした顧客体験であり、社内で大胆なリソースシフトを進めている。さらに、ニューノーマルの中で、「媒介の減(タッチレス)」「店員との接触減(セルフ)」「3密の減(ディスタンス・リモート)」を掲げており、さらなるデジタル戦略の拡大を目指している。

日本で「Business Service Platform コンセプト」を標榜

日本NCRでは、米国で先行する「キャッシュレス」「タッチレス」「セルフ」「リモート」をキーワードとしたデジタル戦略による買い物体験の強化は、国内においても「付加価値」から、「生き残りの必須要素」に格上げされるとみている。

日本NCRでは、さまざまなAPIを準備し、サードパーティ製システムとの連携が容易なエコシステムの構築が可能な「Business Service Platform コンセプト」を標榜している。具体的には、マルチデバイス対応が可能な流通ソリューション「RES MeX 店舗ソリューション」などを展開している。「RES MeX 店舗ソリューション」は、クレジット、電子マネー、QR/バーコード決済など、さまざまなキャッシュレスプラットフォームに対応し、セルフレジのノウハウも織り込まれている。ニューノーマル対応として、画像認識を使っての商品登録、セルフレジで利用者の状況を見るソリューション、スマートフォンを活用したレジレスソリューション、スマートフォンによるオンラインオーダーなどが可能だ。また、IoTの技術も活用し、POSやサーバーに加え、カメラ、空調、デジタルサイネージなどを統合し、保守の見える化、不具合発生時のリモート切り分けが可能になる。これにより、保守員の入店時間短縮、派遣回数の削減につながり、コロナウィルスの3蜜対策に役立てることができる。さらに、POSレジやセルフレジはコーティング剤の塗布サービスも進めているそうだ。

流通ソリューション「RES MeX 店舗ソリューション」(出典:日本NCR)

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