2020年7月30日7:00
PayPayは、自社で運営するECサイトやアプリなどオンラインサービスの決済システムとして「PayPay」を導入できる開発者向けツール「PayPay for Developers」を2020年7月29日より提供開始した。
「PayPay for Developers」では、システム開発者向けに、自社で運営するECサイトやアプリ上で、「PayPay」とAPI連携させ、「PayPay」を利用したオンライン決済ができるシステムの実装方法を公開している。また、API連携方法や実装方法の公開だけでなく、開発者が実際に「PayPay」を利用して決済を行い、API連携時の挙動をリアルタイムで確認することができる安全な開発環境も提供しているという。日本国内でこのようなオープンAPIとリアルタイムに動作確認ができる開発環境を搭載した開発者向けサイトの提供することは、PayPayが初めてであるとしている。
自社でECサイトやアプリを運営している企業は、決済システム開発に「PayPay for Developers」を利用することで、「PayPay」導入時の手順や開発工数、動作を事前に確認でき、これまでよりもスピーディーに「PayPay」を導入できる。また、小規模な自社サイトを運営する企業でも「PayPay for Developers」のサイト上で提供している開発環境や開発サポート機能を利用することで、「PayPay」を使ったオンライン決済を導入することができ、決済システム開発の導入工数を大幅に削減することが可能だ。
「PayPay for Developers」では、オンライン上で「PayPay」を利用して決済する主な4つの機能について紹介している。同サイトは無料で利用でき、実際にPayPayアカウントを利用して決済してみることや、デモのサンプルコード、API仕様書について確認できる。
まず、「ウェブペイメント」は、ユーザーがECサイトなどを利用する時に、パソコンやスマートフォンなど複数の端末で利用する場合や、アプリとブラウザの両方で利用する可能性がある場合に適した機能だ。決済方法としては、自社サービス上で「PayPay」の支払い画面をユーザーに表示し決済を行う。パソコンで利用する場合は、ウェブブラウザ上に表示したQRコードをユーザーが読み取る、もしくはウェブブラウザ上でユーザーがPayPayアカウントにログインし利用できる。スマートフォンで利用する場合は、ユーザーのスマートフォン上でPayPayアプリが起動し、支払うことができる。
「ネイティブペイメント」は、ユーザーが事前にPayPayアカウントを自社サービス上で連携することにより支払いが可能になる機能で、「Yahoo!ショッピング」や「PayPayモール」などで活用されている。ユーザーにより負荷のない決済手段を提供したい場合に活用できる機能で、自社サイトのアカウント情報とPayPayアカウント情報を連携することで利用できる。より安全な決済システムを提供するために、PayPayでは導入時のセキュリティー要件を定めている。
「動的ユーザースキャン」は、「PayPay」で支払うことができるQRコードを動的に表示する機能で、タブレットやテレビ画面などに表示して支払いを行う場合、自動販売機で支払いを行う場合、請求書の支払い方法としてQRコードの印刷が必要な場合など、さまざまな利用状況で活用できる。
「アプリコール」機能は、支払い時に自社が運営するECサイトやアプリからPayPayアプリを起動して遷移し、決済を行うことができる機能で、自社サービスの支払いがスマートフォンで行われる場合に活用できる。
なお、オンライン決済にPayPayを導入するには、「PayPay for Developers」に登録、および加盟店申し込みが必要だ。登録および申し込みが完了すると、実際にAPI連携を行うことができる本番環境が利用できる。
「PayPay for Developers」サイトに登録することで、例えばSandbox環境でAPI接続時のシナリオとコードスニペットの確認ができる「PayPay Lab」や、開発用のユーザーIDとパスワードを使って開発環境でPayPayアプリを利用できるようになる。その他にもAPI接続時のエラーハンドリングができる「PayPay Resolve」などの機能を提供している。
すでにオンライン決済で「PayPay」が利用可能な加盟店は、全国12万カ所を突破しており、「DiDi」や「Coke ON」、「Uber Eats」など、大手企業にもAPI連携を通じたオンライン決済を提供している。「PayPay for Developres」を利用して、オンラインでも「PayPay」決済ができる加盟店を増やすことで、累計3,000万人を超えるPayPayユーザーに対してさらなる利便性を提供し、スーパーアプリ化を推進していくという。