2020年8月5日19:16
ディーカレットは、2020年3月に、関西電力と、デジタル通貨に関する実証実験を実施したが、同社が構築している「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」を活用し、関西電力向け実証実験用の独自デジタル通貨を発行し、電力P2P取引における決済処理の自動化について有効性を確認することができたと発表した。
電力業界における電力供給システムは、従来の大規模集約型から、個人や企業が電源を保有する分散型への移行期にあり、将来的には、プロシューマーと電力消費者との間で、専用のプラットフォームを介し、電力が直接取引(P2P取引)される可能性があると考えている。この時、電力のP2P取引来歴を明確にするということは必須要件であり、耐改ざん性に優れ、透明性の高いブロックチェーン技術の活用が期待されており、来歴管理のブロックチェーンの活用検証はすでに国内外で実施されているそうだ。
そこで、ディーカレットは、デジタル通貨を用いて、プロシューマーと電力消費者のP2P取引と同時に発生する決済処理の自動化について実証実験を実施した。
実証実験では、ディーカレットが構築している「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」を活用し、デジタル通貨を発行した(有効期間は、6ヶ月以内)。具体的には、プロシューマーと電力消費者の電力取引が行われた記録がスマートコントラクトへ書き込まれると、取引量に応じた料金が電力消費者のウォレットからプロシューマーのウォレットへ送付され、同時に取引手数料がプロシューマーウォレットからプラットフォーマーウォレットへデジタル通貨で即座に送付される仕組みについて検証し、有効性を確認できたとしている。
ディーカレットが構築している「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」は、利用企業が自身のブランドでデジタル通貨を発行可能な機能を備え、スマートコントラクトを利用した処理の実装も可能だ。また、取引にまつわる一連のプロセスを効率化し、少額のお金のやり取りもリアルタイムに実現するという。
これにより、ダイナミックプライシングやリアルタイム決済といったブロックチェーンの特性を活かしたサービスを支援できるとしている。今後、ディーカレットはプラットフォームの事業化を目指しており、既存の決済サービスへの価値移転や交換機能・サービスなど、デジタル通貨の利便性を高めるサービスの提供を増やしていく予定だ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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