2020年10月27日7:00
京阪ホールディングス(京阪HD)、京都市、京都市観光協会、JR東日本は、京都の奥座敷と呼ばれる大原・八瀬、鞍馬・貴船などの洛北エリアにて、Web型MaaS(Mobility as a Service)「奥京都MaaS」の実証実験を2020年10月27日~2021年1月31日まで実施すると発表した。
同実証実験では、①京都市内中心部の混雑緩和、②地域観光消費額の増大と分散化、③朝観光・夜観光の促進による観光時間帯の分散化といった課題解決を目的に、洛北エリアへの観光客の分散化を目指すという。
そのため、「奥京都MaaS」では、Web上で、大原・八瀬、鞍馬・貴船などの洛北エリア内を周遊するモデルコースを観光客に提案するとともに、鉄道・バスの特典付き企画乗車券および飲食チケットを販売するほか、デジタルスタンプラリーを展開するなど洛北エリアでの周遊を促進するそうだ。
特に企画乗車券は、Webサービスの利点を活かして、日単位ではなく、利用開始時から24時間または36時間の時間単位とした。こういった事例は国内では珍しく、新幹線などを使ってJR京都駅にお昼過ぎに到着される宿泊観光客にとっても利便性の高い企画乗車券とすることで、洛北エリア内での朝観光・夜観光を促していきたいとしている。
また、コロナ禍であることを踏まえ、京都市内の500mメッシュ単位の人口推計を確認できる機能を搭載した観光マップを採用。1時間ごとに、直近1時間の人口推計データを表示することで、観光客が観光情報と京都市内各エリアの混雑状況を1つの地図でタイムリーに把握しながら旅行することができるという。
なお、同実証事業は国土交通省の「令和2年度日本版MaaS推進・支援事業」において、新たなMaaSの構築を牽引するモデルプロジェクトとして選定されている。
今回の実証実験では、検索・手配・決済の3つの機能をオールインワンで提供するJR東日本の「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム」をベースにサービスを構築している。
同実証実験では、首都圏を中心にダウンロード数が500万件を超え、日本全国の陸上交通に加え飛行機や船舶等の各種交通モードや「現在地」から「目的地」までの徒歩も含めた経路案内が可能なアプリ「JR東日本アプリ」と連携する。同アプリで京都の主要な駅名を検索時に「奥京都MaaS」を告知。これにより、京都旅行に関心がある人、来訪予定がある人に、効果的に同サービスを訴求するという。
さらに、同実証実験中、叡山電車全編成にGPS端末を設置し、観光マップ上に各編成が今どこを走っているか、という情報を提供する。なお、同情報は、10月27日より提供開始予定だ。
また、ドコモ・バイクシェアを大原エリアにおいて8日間の期間限定でトライアル実施。既存会員は、キャッシュレスで、普段の生活で利用する電動アシスト自転車を大原でも利用できる。さらに、非会員であっても、大原を電動アシスト自転車で満喫してもらうために、特別に、1日券500円・2日券1,000円のプリペイドカードの販売も実施。シェアサイクルによる大原での宿泊を伴う夜観光・朝観光促進の可能性を検証する。
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ペイメントナビ編集部
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