2012年11月27日10:00
東山動植物園がNFCタグを活用して詳細な動物情報を提供
プレートにスマートフォンをタッチすると詳細な動画情報を閲覧できる
名古屋市の東山動植物園(運営:中京テレビ)では、GPSで取得した位置情報や施設・イベント情報を提供するだけでなく、NFCタグ(ソニーの「FeliCa Lite」)が貼られたプレートにスマートフォンをタッチすると動物情報を閲覧できるアプリを提供している。利用者は、各獣舎前にあるタッチプレートにスマートフォンをかざすと動物の詳細情報が確認可能だ。同システムを提供するトヨタマップマスターに話を聞いた。
東山動植物園アプリの機能として提供
サービス開始後はAndroidアプリのダウンロード数が増加
東山動植物園では、トヨタマップマスターの製品「てまぱなび」のプラットフォームを活用したAndroidおよびiPhoneのスマートフォンアプリ(提供:株式会社中京テレビ放送)を提供している。同アプリでは、GPS機能を活用し、現在地情報の把握や目当ての動物がいる場所の確認が可能だ。また、一緒に来園した家族や友達のいる場所も把握できるという。さらに、来園時に駐車した自動車の位置情報を確認することもできるという。
東山動植物園では、2012年8月から、NFCタグ(ソニーの「FeliCa Lite」)が貼られたプレートにAndroidスマートフォンをタッチすると、動物の詳細情報を動画で閲覧できるアプリを提供している。同システムは、トヨタマップマスターがソニーの協力を得て構築した。同機能は、NTTドコモの「かざしてリンク」を採用しており、おサイフケータイ(FeliCa)対応端末およびNFC機能搭載端末で動作が可能だ。Androidスマートフォンユーザーは、スマートフォンアプリをダウンロードすれば、すぐにNFC機能が利用できる。
現状、東山動植物園では、iPhoneアプリのダウンロード者数のほうがAndroidよりも断然多い。そのため、NFCタグを活用した新たな機能をAndroidに追加することで、利用者のダウンロードを促進する狙いもあったそうだ。
トヨタマップマスター 事業企画室 主幹 花井三晴氏は、「2012年からNFCを利用した取り組みをスタートしていましたが、Androidアプリをダウンロードする方の比率が高まっており、その数は現在も伸びています」と成果を口にする。
園内の60カ所にプレートを設置
Androidアプリの園内利用者の約半数がNFC機能を利用
東山動植物園の園内には、約60カ所にNFCタグを添付したプレートを設置。利用者は、各獣舎前にあるタッチプレートにスマートフォンをかざすと、動物の鳴き声や行動などの動画をチェックすることができる。Androidアプリをダウンロードした人のうち約6割が園内で実際に稼働しているが、そのうち約半分がNFC機能を利用しているそうだ。
「東山動植物園では、動物の人気投票を実施していますが、上位人気の動物ほど、プレートをタッチされる傾向が見受けられます」(花井氏)
なお、FeliCa Liteについては、コストは1枚100円程度で、オレンジタグスから商品を仕入れている。今回のサービス開始に向けては、ソニーとNTTドコモから協力を受けたため、今後も両社と協力して進めていきたいとしている。
なお、トヨタマップマスターでは、ナビゲーションシステムの商品企画、開発、ナビ地図データベースの制作を行っている。同社内の企画「スマートフォン向けナビ地図開発」の一環として、「テーマパークNavi」の企画を進めており、生活者が自動車を降りてからのナビゲーションの充実を図り、車での移動の促進を目指している。同サービスは、ハウステンボスでの採用も検討中であり、今後は、ハウステンボスにおいてもNFCを利用したシステムの導入を働き掛けていく方針だ。また、屋外のテーマパークだけでなく、屋内でのイベントや施設での利用も促進していきたいとしている。