2021年1月19日8:42
全自動のクラウド会計ソフト「freee(フリー)」を展開するfreeeは、2021年1月18日に「おうちでサクッと確定申告」の記者説明会をオンラインで開催した。freeeでは、自宅からの確定申告を簡易に行ってもらうため、確定申告の電子申告をスマホアプリでできるサービス「電子申告アプリ」を2021年1月18日から無料で提供開始した。
青色申告の電子申告で特別控除額は65万円
昨年の確定申告では、2,204万人が申告した。例年、国税庁が提供する確定申告相談所には多くの申告者が書類作成や相談のために長蛇の列を作る。2020年(令和2年)分の確定申告から、電子申告で青色申告の手続きを行えば65万円の特別控除が受けられる。 紙での申告と比較すると、10万円の追加控除を受けることが可能だ。逆に、紙で申告すると、10万円減額されてしまう。しかし、freeeの調べでは、同制度を知らない人が51%となった。そのため、今年も税務署には多数の人が相談に来ると想定される。
国税庁の調べによると、2020年に税務署や臨時相談窓口に訪れた人は500万人を超えた。新型コロナウィルス感染症拡大の状況の中、税務署に多くの人が訪れ、蜜になるのは大きな問題だ。申告者にとっては、書類の書き方や必要書類がわからない、仕訳が難しい、誤りがないか確認したいといった理由から、税務署や臨時相談窓口に訪れ、相談員に質問する必要がある。また、今年は持続化給付金、GoToトラベルキャンペーンの返金50万円以上が課税対象となる点など、例年と異なる点もある。
〇×形式の質問回答で最短3分で作成可能
2020年12月に実施したfreeeの調べによると、自宅から確定申告をしたい人は78%となった。freee CEO佐々木大輔氏は「自宅から確定申告するのは当たり前の年にしなければいけません」と話す。
「freee」は、全自動のクラウド会計ソフトで、利用者はインストールの必要なく、すぐに利用可能だ。個人事業主の青色申告や確定申告、法人の会社法に対応した決算書作成に対応している。
申告書類では、AIによる自動仕訳が可能だ。銀行の振込、クレジットカードの取引、領収書をスマホで撮影することで帳簿作成が行える。また、申告書の作成は、〇×形式の質問に答えるだけで確定申告に必要な書類作成が3分ほどで可能だという。確定申告書はPCのウェブブラウザに加え、スマートフォンでも作成できる。青色申告・白色申告どちらにも対応。また、e-Taxにも対応している。
freeeでは、Youtubeを活用した確定申告解説動画を毎週配信。また、オンラインセミナーも実施する。そのほか、freee利用者に対してのチャットボットやメールでのサポート、「電子申告開始ナビ」を無料で提供している。
マイナンバーカードをスマホにタッチ、カードリーダの購入も不要に
無料で開始した「電子申告アプリ」のデモについては、開発担当の高木悟氏が説明した。具体的なステップとして、①収入/支出の登録を終える、②確定申告書を作る、③提出、という流れとなる。「電子申告アプリ」は、国内の民間企業では初の電子申告専用アプリとなるそうだ。ICカードの読み取り機能が備わっているNFC対応のスマートフォンであれば、カードリーダの用意もなくその場で申告が可能だ。これにより、会計freeeで作成した決算書や確定申告書をスマートフォンで提出できる。
具体的な流れとして、利用者が会計freeeで1年間の収支や支出等を入力し、確定申告書を作成する。確定申告書では、〇×の設問に回答すると必要な書類作成ができる。
申告書類が完成した後の電子申告は、スマートフォンで電子申告アプリを起動する。アプリでは、ID情報とパスワードを入力してログインし、マイナンバーカードの署名パスワードと、利用者識別番号の暗証番号を入力する。その後、アプリの「マイナンバーを読み込みへ」をタッチし、スキャンの準備ができてから、マイナンバーカードをスマートフォンのNFC機能でタッチする。マイナンバーカードの読み込みが完了すると、確定申告の送信が完了する。
これにより、自宅で簡易に確定申告書の提出が可能となり、新型コロナウイルス感染拡大の防止につなげることができる。また、確定申告書の計算間違いにもつながるとしている。