2021年7月1日9:22
京王電鉄とQoil(コイル)は共同で、2021年6月30日、キラリナ京王吉祥寺にアパレルD2C(Direct-to-Consumer)ブランド複数社による共同出店型のショールーミングストア「INSEL STORE」をオープンした。「INSEL STORE」では20ブランドが共同で出店し、店舗に設置したQRコードを利用してECに誘導し、各ブランドのECサイトで商品購入や決済を行う。
京王電鉄が初の体験型店舗をオープン
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、利用者の行動が変化している。リアル店舗での接触機会を避ける傾向などがある一方で、ECの売り上げは伸びている。今回、京王電鉄としても初めて体験型店舗をオープン。京王電鉄 開発事業本部 SC営業部 キラリナ京王吉祥寺副支配人 角田匡平氏は、「お客様の行動が変容する中で新たなビジネスモデルにチャレンジするタイミング」であるとした。「INSEL STORE」では、顧客との新たな接点を構築し、顧客の行動データなどをブランドに提供していく方針だ。
店舗にカメラを設置し、来店者のデータを取得可能に
京王百貨店と共同でINSEL STOREを運営するQoil 事業本部 営業部 部長 末廣理史氏によると、同店舗には大きく3つの特徴があるという。1つは 約59 m2の区画に20ブランドが出店できることだ。ブランドには商品設置用の棚を提供し、自由に服や雑貨を紹介することができる。ブランドにとっては、コストを抑えて、商品を訴求可能だ。また、顧客にとっては、複数のブランドの商品を知ることができる。
2つめが、データ分析をブランドに提供できることだ。店舗にカメラを設置することで、入退店の属性に加え、利用者が商品を手に取る、試着する、相談する、購入ページに遷移するといったトラフィックを取得できるため、マーケティングに有効活用することが可能だ。なお、INSEL STOREでは、米国b8taでも採用されている「Retail Next」をインストールしている。
3つめが、ショップのECサイトに顧客を促すことができるため、ブランドと顧客との接点構築に生かすことができ、会員登録に結び付けることが可能だ。顧客にとっては、実際に手に取ってから、ECでブランドの魅力を知り、商品を購入することができる。角田氏は、「今後日本でも米国のようにショールーミングが増える」と期待した。
「INSEL STORE」に出店しているPMC 代表取締役 ファッションディレクター/デザイナー 丹羽俊介氏は、立地的に優れた場所でブランドの魅力を知ってもらい、ECの利用を促すため、出店を決めたという。PMCでは、複数ブランドが出店し、それぞれの魅力を知ってもらうとともに、顧客の行動データを商品開発に生かしていく。
QRコードからECに遷移、出店効果計測が可能に
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