2022年10月5日8:30
共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティ マーケティングは、2022年9月29日、1億人を超えるPonta会員とのつながりを、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献に生かす活動の戦略説明会をオンラインで開催した。
「特に行動していない」人が全体の6割以上
気軽なSDGsをアクションを提供
LMでは、意識調査やグループインタビューでSDGの課題を把握したところ、現在、行動している人が17%、今後、行動したい人が41%となった。LMでは、“社会課題に取り組みたい”という、生活者の思いに応え、わかりやすく、気軽に日常生活の中で行動しやすい SDGsアクションの機会を提供してきた。ここ数年でSDGsの認知度は高まっている一方で、具体的なアクションに関しては、「特に行動していない」と回答した人が全体の6割以上となった。LMでは、より一層、SDGsの参加ハードルを下げ、 日常の中で取り組める機会を提供していきたいとした。
エシカル消費は7割の人が関心抱く
生活者、企業、行政を含めた仕組み作りが重要に
同戦略説明会では、生活者が日常生活でできることと、「エシカル消費」について、一般社団法人エシカル協会 代表理事 末吉里花氏が紹介した。
一般的に言う“エシカル”は倫理的なという意味となるが、「人・社会・地球環境・地域に配慮した考え方や行動」であるとした。エシカルは日本人が古くから大切にしてきた精神性となる「おたがいさま」「おもいやり」「もったいない」「 足るを知る(少欲知足)」「お天道様が見てる」「三方よし」という考えに近い。
世界的な問題として、気候変動の進行、廃絶できていない児童労働などが挙げられる。エシカル消費は多岐に渡るが、地域の活性化、雇用なども含む、人・社会・地球環境に配慮した消費やサービスのことだという。エシカル消費の分類として、環境・社会・地域への配慮などがある。
具体的なルールとしては、「Rethink(考え直す)」からはじまり、「Refuse(断る)」「Reduce(減らす)」「 Repair(修理・修繕する)」「Reuse(使えるものは繰り返し使う) 」「Repurpose(目的を変えて、違うものとして使う)」「Recycle(資源として再利用)」といった7Rのアクションを挙げた。末吉氏は「エ(影響を)シ(しっかりと) カル(考える)」ことが大事だとした。
エシカル消費動向調査結果によると、エシカル消費は7割の人が興味があると回答している。また、「これまでエシカルな商品・サービスを購入したことはありますか? 今後購入しようと思いますか」という問いに対して、「これまで購入したことはないが、今後は購入したい」という人が6割近くに及んだ。さらに、「これまで購入したことはなく、今後も購入したいとは思わない」「これまで購入したことはあるが、今後は購入したいとは思わない」という人にその理由を尋ねたところ、「購入したくない理由は特にない」が一番だったが、「どれがエシカルな商品・サービスなのか分からない 」「本当にエシカルなのかどうかわからない」が2位、3位となった。これは企業側がコミュニケーションとして消費者に伝えきれていないことが大きい。また、消費者側もポジティブな声として伝えていくことが重要だとした。末吉氏は「生活者と企業・事業者が両輪で動いていかなければいけません」と話す。
エシカル消費に係る生活者の現状として、①エシカル消費への関心とアクション(実践)の乖離、②「どれがエシカルな商品・サービスなのか分からない」ことがエシカル消費実践の壁、③エシカル消費に対する本質的な理解の不足、を挙げた。エシカル消費の普及に向けては、生活者、企業に加え、行政も含めた仕組み作りが重要であるとした。
アプリの利用頻度が高い人ほど行動
総アクション数は1億3,765万3,441回
続いて、ロイヤリティ マーケティング 新規事業開発部 部長 佐藤 智仁氏がPontaのSDGsへの貢献に向けた取り組みについて紹介した。
LMでは、現実社会の橋渡しとして、また、ユーザーと企業を結ぶ潤滑剤としてSDGsに取り組んでいる。さらに、NFTやメタバースなどにより、現実社会と仮想社会の融合にも力を入れている。Pontaサービスは、1億人を超えるユーザーが登録しており、使える提携店舗も26万店舗を超えた。LMの「Green Ponta Project」では、2019年12月、Ponta会員、全国のPonta提携店舗の基盤を活用し、Ponta提携社に加え、SDGsに取り組む企業ともPonta会員をつなぎ、活動の輪を広げる取り組みを行う目的で立ち上がった。同社の企業理念である「無駄のない消費社会」を具現化し、SDGs達成への貢献を目指している。具体的な活動テーマとして、無駄をなくす活動、サステナブルの活動、人と地球を継承する活動を行っている。ユーザーの手元で使ってもらえるアプリ「Green Ponta Actionアプリ」を基軸にSDGsを進めている。
日本のSDGsの課題を解消するため、“生活者自身のメリット”と“日常の中でできる気軽さ”を提供し、SDGsの自分事化をさらに促進させているという。1億人にSDGsを広げるためには意識の高い人以外も巻き込む必要がある。Pontaポイントや歩数計測などで気軽に始めてもらい、少しずつSDGsを意識してもらい、関心を高めてもらうことができる。
実際、「Green Ponta Actionアプリ」を利用し始めたきっかけを尋ねたところ、70%の人が「利用することで特典(Pontaポイント)を受け取れる」からと回答した。次いで、「歩数計測ができるから」だった。SDGsに関心があって始めた人は少ないが、最初のステップとしては有効だ。SDGsへの関心度を尋ねたところ、アプリ利用者は非利用者に比べ、関心のある層が2倍となった。また、「アプリを利用することで関心度や行動につながっていることが見えてきました」と佐藤氏は話す。さらに、アプリ利用者にどれくらい利用しているかによって、行動変容があるかを調べたところ、アプリを週5日以上利用使っている人ほど「未来のために必要」であり、「身近に感じている」人が多い結果となった。SDGsアクションの取り組み状況として、アプリの利用頻度が高い人ほど、行動をしているという回答が多くなり、毎日アクションをすることで行動変容が起きている。
「Green Ponta Actionアプリ」でのSDGsアクション数は現在60万超ダウンロード、一日当たり11万人がアクションしている。すでに1年強アプリを運営しているが、1億3,765万3,441回のアクションがあった。アクション数は公表することで、「みんなで一緒にやっていく醸成を感じてもらえるようにし、盛り上がりを作っています」と佐藤氏は話す。
「寄付機能」はポイントで応援やクレカなど順次拡充
企業に向けて「ユーザーアンケート機能」を追加
LMでは、生活者心理を踏まえたコンテンツの展開を意識している。9月には「すいみん機能 (睡眠)」を搭載。日常生活の中にある行動「すいみん(睡眠)」で取り組める気軽なアクションとなっている。睡眠を通じて、睡眠の質や健康に目を向けてもらうきっかけを提供している。健康に加えて、メンタルにおいても重要なファクターになり、利用者自身の生活がより豊かになるという。
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