2022年10月13日11:00
凸版印刷は、農産物の生産者と地域の実需者を専用のアプリ上でつなぎ、生産と需要の情報をマッチングするプラットフォーム「ジモノミッケ!」を開発し、福島県会津若松市とその近隣地域で2022年9月まで実証実験を行ってきた。
このほど、会津若松市における「複数分野データ連携の促進による共助型スマートシティ推進事業」の「食・農業」分野の取り組みとして「ジモノミッケ!」が採用され、2022年10月11日よりスマートシティのデータ連携基盤である「都市OS」との連携を開始した。これにより、「ジモノミッケ!」は、農産物の生産と需要の情報を可視化し、地産地消を促進するマッチングサービスとして、同日より会津若松市および近隣地域の生産者と実需者が利用できるようになった。
会津若松市では、「スマートシティ」化に向けて、データ連携基盤である「都市OS」を核とした複数分野にわたる連携と付加価値の創出に、約10年間取り組んできた。この活動は、2022年6月、内閣府の「デジタル田園都市国家構想推進交付金事業(TYPE3)」に「複数分野データ連携の促進による共助型スマートシティ推進事業」として採択され、7月には一般社団法人AiCT(アイクト)コンソーシアム(福島県会津若松市)がその実施主体となることが決定している。
「ジモノミッケ!」はAiCTコンソーシアム「食・農業ワーキンググループ」活動の一環として、凸版印刷が開発した農産物の需給マッチングプラットフォームだ。
2022年7月11日から9月30日にかけて行われた実証実験には、会津若松市とその近隣地域から、30の生産者と、宿泊施設、介護施設、飲食店、食品加工業者、小売店など30の実需者が参加した。参加者からは、規格外品の取扱いや受発注の可視化による「食品ロスの削減」や、地域内流通の最適化と梱包の簡易化による「生産者負担の軽減」に対し、その効果を期待・実感する声が得られ、同サービスの有用性が確認できたという。
凸版印刷は、会津若松市での「ジモノミッケ!」のサービス開始を皮切りに、会津若松市のスマートシティ実現に向けて、食・農業領域をはじめとした様々な分野における価値提供を行っていくという。さらに、会津若松市での取り組みをモデル化し、全国の地域産業のDX化と「ウェルビーイング」を向上する市民生活のDX化に向けた展開により、持続可能な共助型社会の実現を目指す。凸版印刷は、2030年度までに、関連受注を含めて10億円の売り上げと、全国の卸売市場など50拠点での「ジモノミッケ!」の導入を目指す。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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