2022年11月9日8:00
ギフティと日本航空(JAL)は、ギフティが地方自治体向けに提供している「旅先納税」のサービスが、旅や「ふるさと納税」の新たなスタイルとして根付くよう全国的な普及を目指し、業務提携契約を締結した。JALが持っている自治体や観光関連団体とのネットワークや、観光客に対する発信力を活用し、「旅先納税」の普及のスピードアップを図る。JALは今後の業務提携の方向性についても触れ、地域内で富を循環させることができるギフティの地域通貨サービスが地域活性化のために効果的であると評価を示し、業務提携の拡大・発展にも意欲を示した。(ライター:小島清利)
「需要の創出」「納税の分散化」など地域の活性化への効果を期待
2022年11月2日、東京都大田区羽田空港のJALメインテナンスセンター1 「SKY MUSEUM」で行われた業務提携共同記者会見には、ギフティ代表取締役の太田睦氏、日本航空執行役員地域事業本部長の本田俊介氏らが出席した。また、全国15自治体目、関西では初めて「旅先納税」システムを採用した和歌山県白浜町の井澗誠町長がゲストとして招かれた。
「旅先納税」とは、ギフティが提供する自治体・地域の課題を解決するデジタルプラットフォーム「e街プラットフォーム」を活用した「ふるさと納税」の仕組みだ。旅行前や旅行中に、訪問先の自治体へスマートフォン専用サイトより寄附すると、返礼品として電子商品券「e街ギフト」を即時に受け取ることができ、その地域の宿泊施設や飲食店をはじめ観光施設や交通機関などの加盟店で利用することができる。また、寄附控除も受けることができる「ふるさと納税」の新しいカタチだ。
ふるさと納税は、対象者約5,950万人のうち利用者が約12%にとどまっており、その多くは地域食材や名産品などの返礼品を軸とした寄附となり、寄附する時期も偏りがある。JALの本田氏はあいさつの中で、ギフティの旅先納税が、「需要の創出」「納税の分散化」「新型コロナウイルスの影響からの復活」という3つの効果を生み出すことに期待感を示した。
本田氏は「旅先納税の仕組みは、地域に行く理由づくりになります。観光客の需要を作り出し、地域にとってはお金が落ちます。また、これまでのふるさと納税は特産品を持つ地域と持たない地域で格差が生まれるほか、ふるさと納税を行う時期が年末年始などに偏る傾向がありますが、コト消費に対応する旅先納税は格差を埋めるチャンスを生み出し、納税の時期を分散、平準化することができます。さらに、コロナ禍で傷んだ地域の宿泊、飲食業者、観光業者などの支援にもつながります。ギフティと一緒に旅先納税の普及を進めることで、地域を盛り上げていきたいです」とサービスの拡大へ向けた決意を表明した。
コロナ禍で傷んだ地域の復活に関しても協力していく
ギフティの太田氏は「全国の自治体とのネットワークと、旅行客とのタッチポイントを有する日本航空との業務提携により、『旅先納税』を広くプロモーションできることは大変ありがたく思っています。これをきっかけに旅先納税を全国的に普及させて、新たな観光のカタチを一緒に作っていきたいです」と話した。
ギフティが新しいふるさと納税のカタチとして、「旅先納税」をリリースしたのが、3年前の2019年11月。その後、新型コロナウイルスの感染が拡大した影響で、観光に関する動きがほとんど止まってしまい、「旅先納税」の営業活動自体も停滞していた。22年5月以降、観光に関する動きが回復基調となったのを受け、多くの自治体が旅先納税に趣旨に賛同する形で、旅先納税システムの採用や問い合わせが相次いでいる。
返礼品の「e街ギフト」を地域の宿泊施設や飲食店、レジャー施設などで利用することで、従来の「ふるさと納税」では恩恵が充分に受けられなかった地域事業者にとっても経済効果が見込まれ、新型コロナウイルス感染症の拡大によって打撃を受けた観光業・飲食業などへの後押しが期待できるという。高齢化が進む地方事業主にとっても、簡単に利用できるデジタルソリューションの導入によって経営改善が進み、地方経済におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を加速させることも期待できる。
地域の活性化見据え「地域通貨などで協力の可能性も」
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