2023年1月1日7:00
NTTデータは、2023年1月4日より、「SiFFT-TDM(シフトティーディーエム)」の提供を開始すると発表した。SiFFT-TDMは、路線バスやデマンド交通の利用者の乗降情報を可視化することで、地域の公共交通の利用実態を明らかにし、自治体などにおける実データに基づく政策立案を支援するサービスだという。それぞれの地域が抱える課題にあわせて、交通事業者の共同経営における収支のシミュレーション、交通弱者(移動制約者)の見守り支援や、定量データと住民から収集した意見を組み合わせた効果測定などのオプション機能も活用可能だ。
ファーストユーザーとして、群馬県前橋市において2023年1月4日から3月31日の期間で実施される前橋版MaaS(MaeMaaS)高度化事業に採用が決定した。同事業は、国土交通省の補助事業「令和4年度日本版MaaS推進・支援事業」に選定されており、持続可能な公共交通の実現に向けたMaaSの実装やデータ活用に係る優良事例として全国への展開が期待されている。
NTTデータは同取り組みを通じてSiFFT-TDMの有用性を確認し、今後は前橋市をはじめとする全国の交通課題を抱えるさまざまな地域の支援を進めるという。
NTTデータが参画する前橋市新モビリティサービス推進協議会は、前橋版MaaS(MaeMaaS)の社会実装を見据えた取り組みを推進している。前橋市では、公共交通維持のための市財政への負担増加、公共交通を担う運転手の不足や働き方改革、公共交通空白地帯の発生による外出機会の減少、移動における自家用車への依存といった課題を抱えている。前橋市に限らず、全国の各地域に同様の課題を抱えている自治体がある。
この現状に対しNTTデータは、交通データの可視化、共同経営等のシミュレーション、交通弱者の見守り支援、効果測定を可能とする仕組みを「SiFFT-TDM」により提供する。前橋市のMaeMaaS高度化事業において持続可能な公共交通の実現を支援するとともに、類似の課題を抱える全国の自治体に向けた優良事例の創出にもつながると考えているそうだ。
SiFFT-TDMは、交通の未来を見据えて、快適なまちづくりを支援するソリューションとなる。都市に関するデータ(統計・地図・人流等)と交通に関するデータ(運行・利用等)を掛け合わせて可視化・分析・統計を行うことで、地域の課題を可視化し、最適な施策を導き出すことを可能としている。
特徴として、自治体内にある公共施設等に公共交通で行きやすい/行きづらい場所はどこかを地図上で確認することができる。また、路線バスの乗降情報を地図上の分布図やグラフで可視化する。実データをもとにした公共交通の見直しや、他の交通モードを含めた交通計画の最適化に活用できるという。
また、さまざまな情報が見やすく表示されるため、データ分析に関する特別な知識がなくても、自治体の職員自ら簡単にEBPM(実データに基づく政策立案)を行うことが可能だとしている。さらに、クラウドサービスのため、自治体側で特別な設備は必要ないそうだ。
そのほか、基本となるEBPM機能に加えて、地域の課題解決に資するオプション機能(共同経営支援機能・見守り機能・効果測定機能)を用意しているという。
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ペイメントナビ編集部
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