2023年7月28日8:50
KDDIは、2023年7月18日に衛星ブロードバンドStarlinkについての説明会を開催した。山小屋、音楽フェス、海上でのキャッシュレス決済など、Starlinkを活用した最新事例について紹介した。
2023年度内に5G対応基地局も運用開始
八方池山荘で山小屋Wi-Fiを提供
KDDIは、2021年9月にスペースX社と業務提携を行い、au基地局のバックホールにStarlinkを活用してきた。KDDIでは3年前からスペースXと共同で技術検証を行っているが、60年前に日本で初めて衛星通信を開始したノウハウを共有しながら、両社で展開を進めてきた。2022年12月にau通信網で利用開始。離島や山岳地帯には光ファイバーは引けないため、Starlinkの衛星回線を使って通信を行う。auのスマートフォンからauの基地局、4000超の衛星群を経由して地上局、コアネットワーク、インターネットにつながっているそうだ。KDDI 取締役執行役員 パーソナル事業本部 副事業本部長 兼 事業創造本部長 松田 浩路氏は「日本のどこでも、つながらないがなくなるように」取り組みを進めているとした。
離島だけではなく、川沿い、人口が少ない集落など、日本中のどこでもauの高速通信体験を提供する方針だ。また、山の安全をつなぐため、今年度中にエリア化をしていくという。また、山の上でも生活体験を変えていくことを目指す。さらに、観光地やワーケーションでもつながりやすい環境は重要となる。例えば、撮影した景色をリアルタイムでSNSにアップロードしたり、ワーケーションでのリモートワークも便利になる。
災害時も通信をつなぐ役割を果たす。車載型基地局・可搬型基地局を2023年度中に200台導入する。これにより、従来より重さや体積を大幅に削減でき、設置時間も半数になるとしている。
なお、Starlinkをバックホール回線として利用するau基地局は、2023年度内に5G対応基地局も運用開始予定だという。
事業創造本部 LX基盤推進部長 鶴田悟史氏は、個人の利用者に対する活用事例を紹介。コロナ禍を経てアウトドアやイベントが活性化しているが、KDDIではリアル体験のアップデートを目指す。2023年5月に白馬村と連携し、八方池山荘でStarlinkを活用した山小屋Wi-Fiを提供開始した。山小屋は地形や積雪などの理由で通信環境の整備は難しかったが、ブロードバンドの回線を設置した。50 ~100Mbpの高速通信が出ており、スマホの動作もスムーズだという。
山小屋Wi-Fiの導入に関しては、登山地図GPSアプリ「YAMAP」を運営するヤマップからアドバイスを得た。ヤマップとは今後も山小屋DXを推進するパートナーとして連携していく。山小屋Wi-Fiは今年の夏、白馬、立山を中心に11カ所から提供を開始する。また、スマホ決済「au PAY」といったキャッシュレス決済にも対応していくという。
3万人来場の「JAPAN JAM2023」で活用
グッズ売り場や飲食店の通信を便利に
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