2011年5月18日8:40
ICカードの新たな市場創出に向けたビジネス開発、ソリューション提案を展開
「FeliCaポケット」や「NFC」など新たな市場にも着目
大日本印刷ではICカードのOS開発から製造・発行、周辺機器、アプリケーションやソフトの開発までトータルに提供している。また、ICカードの多機能化を生かした「FeliCaポケット」や「NFC」などの新たな市場にも着目し、他社に先行してビジネスに取り組むなど、常に業界をリードする存在となっている。
取材対応者:IPS事業部 デジタルセキュリティ本部 IDソリューション開発部 部長 高橋真氏
同金融ソリューション開発部 部長 石橋正教氏
2010年はFeliCaの発行が好調
TypeBは国民IDカードの登場に期待
国内最大手の印刷会社である大日本印刷。ICカードの発行についても国内ナンバー1のシェアを誇ると自信を見せる。2010年のICカードの発行状況については、FeliCaを中心に堅調な伸びを見せており、2011年も同様の伸びを見せると同社では期待している。
同社の非接触ICカードの発行状況をみると、交通、電子マネー、社員証・学生証の市場に多く採用されているFeliCaの比率が高い。また、TypeA/Bのカードも伸ばしている中、TypeAについては、薄型非接触ICカード(0.3mm厚)の製品開発などにも取り組み、引合いも増えているようだ。
TypeBに関しては、住民基本台帳カードを始めとした公共系ID証での採用も増えており、将来的には国民IDカードの登場により、さらに発行枚数は伸びると期待している。
近年のクライアント企業からの引き合いとしては、低価格なICカードに関してのリクエストが多くなっている。同社ではその中で、他社に先駆け、顧客ニーズを満たす製品開発と付加価値を見出しながら顧客企業に提案を行っている。
また、同社ではカードありきの提案ではなく、ソリューションとしてトータルにサポートする姿勢を打ち出す。同社ではネットワーク型ICカード統合プラットフォームである「CDMS(Card Data Management Service)」を展開しており、ICカードのOSやアプリケーションを始め、ネットワーク認証やネットワーク発行、データ管理などを含めた提案ができるのが強みとなっている。
キーホルダー、リング型、シール型など
さまざまな媒体のFeliCaを開発
また、ICカードについても従来のカード形状だけではなく、キーホルダーやリング型、シール型など、さまざまな媒体の開発に取り組んでいる。
例えば、2011年2月にスポーツ関連健康器具メーカーのファイテンとコラボレーションし、FeliCaチップを搭載して電子マネー決済が行えるリストバンド型の「Smart-Jacket(スマートジャケット)」を企画開発した。Smart-Jacketは、バンド部分にファイテンが独自の技術を施した心身をリラックスさせる素材を使用しており、レジャー施設の会員証や入場チケットのほか、職場でのID認証用など、幅広い用途で利用できる。オプションで、バンド部分に企業名やロゴなどを指定の色で印刷したり、ベルトの形状を変更してオリジナルの製品を作成することも可能だ。また、EdyやFeliCaポケットなどのアプリケーションを搭載することができるという。
アクセサリー感覚で使用できるキーホルダー型のFeliCaについては、バスケットボールbjリーグの島根スサノオマジック、ビットワレットで採用されている。
また、SoftBank SELECTIONからは、iPhone 4に対応した電子マネーを搭載したシールタイプが販売されており、キーホルダーと合わせ生活者の関心も高く、好評を得ているようだ。同社では今後も日常の生活の中で利用できる媒体を開発していく方針だ。
※Edy(エディ)はビットワレット株式会社が管理するプリペイド型電子マネーサービスのブランドです。
OTPカードはATMテストもクリア
優良会員向けのリップマン型ホログラムカードを開発
⇒以降の記事はカードマーケティングガイドで紹介します。
※カードマーケティングガイドでは30社以上の関連ベンダーの動向を紹介しています。