2025年6月23日7:00
インフキュリオンは、2025年6月17日に「決済動向2025年調査」の最新結果を発表するメディア説明会を開催した。当日は、インフキュリオン 主席アナリスト森岡剛氏が同調査の結果を紹介した。
成長するコード決済はサービスで勝ち負けが顕著に?
広義のBNPLは初の減少(インフキュリオン決済動向調査2024)
ブランドデビットの利用率が増加
コード決済アプリ利用率は10代が83%と突出
インフキュリオンでは決済動向調査を2015年より毎年継続している。現在の消費者のキャッシュレス決済の動向について継続的にウォッチしており、同調査結果を公開することで、キャッシュレス市場の変化を考察している。
インフキュリオンは、決済領域を起点に社会変革の実現を目指しており、Embedded Finance(エンベデッドファイナンス)やFinTech(フィンテック)、マーチャントソリューション、コンサルティングという3つの事業を柱にサービスを提供している。
同調査は、2段階のインターネット調査になり、まず2万人規模の全体調査でデータを取得し、その後の824人を対象に詳細な調査を行っている。森岡氏は「国内キャッシュレス決済市場を理解するための有力な情報源として、広く認知されております」と述べる。
経済産業省によると、キャッシュレス決済比率は2024年に42.8%に達した。2025年までに4割程度という政府目標があったが、それを前倒しで達成しており、キャッシュレスは力強く進行している。2019年の数値と2024年の数値を比較すると、キャッシュレス決済額は81 兆9,000億円から141兆円となり、1.72倍となった。キャッシュレス決済比率も2019年時点では26.8%だったものが、昨年2024年には42.8%に成長している。経済産業省では、キャッシュレス決済額の構成品を算出しており、2019年は89.7%をクレジットカードが占めていた。2024年はクレジットカードが82.9%となり、コード決済が大幅に伸びた。2019年時点では1.2%の比率しかなかったコード決済が、2024年には9.6%を占めるに至った。
そうした中、今回の調査では、どの形態のキャッシュレス決済が伸びているのかを把握した。例えば、クレジットカードも近年ではタッチ決済が伸びているが、スマートフォンを用いた決済においても、コード決済、アプリによるコードの表示や、読み取りによる決済に加え、クレジットカードを登録したアプリによるタッチ決済も伸びており、多様化が進んでいる。また、タッチ決済の普及で、例えば交通系ICカードが普及している公共交通機関のキャッシュレスにはどのような変化があるかも把握した。さらに、非対面決済でもBtoC EC市場は拡大しているが、クレジットカード以外のコード決済アプリ、後払い(BNPL)、キャリア決済などの手段に着目して調査を進めた。
同調査で2015~2025年の各カテゴリーの利用率の推移をみると、クレジットカードは81%、電子マネーは55%が利用しているが、ブランドデビットの利用率は29%と前回調査より11ポイント増加した。その要因として、各銀行がアプリと連動したり、若年層にお勧めする手段として訴求するなど、認知が広がっている。また、2025年から選択肢に追加したゆうちょ銀行の影響もあるが、それ以外も含め全体的に伸びているという。
年代別で見るとコード決済アプリの利用率は10代で83%と突出している。また、ブランドデビットも10代と20代の利用率が約4割と伸び、若年層での獲得が進行した。
主要サービスの利用増減をみると、回答者の4割は現金利用の減少を申告しており、こうしたデータからのキャッシュレス化が進行しているということがうかがえる。
決済№1の支払いサービスは?
2位はクレカ、3位は電子マネーに
今回の全体調査では、対面利用、非対面利用も調査したが、対面決済では首位がコード決済アプリ、2位がクレジットカードとなった。
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