2025年7月17日8:40
三井住友カードは、2025年7月15日に、Olive戦略説明会を開催した。個人向け総合金融サービス「Olive(オリーブ)」は2023年3月に提供を開始し、約2年半の間、SMBCグループの枠を超えた各業界のトッププレイヤーとの業務提携や新サービスの開始・機能追加等のアップデートを重ねてきた。当日は、三井住友カード ママーケティング本部 執行役員 本部長 伊藤亮佑氏がこれまでの取り組みや戦略、新機能「マネーアシスト」の開始などについて紹介した。

Oliveは600万口座突破
あらゆる金融サービスを1アプリで
三井住友カードでは、昨年度から今年度にかけて、Oliveに関する新たな取り組みを続々と発表してきた。2024年7月にマネーフォワードとの個人向け事業における資本業務提携を締結し、同12月に新会社を設立。2025年3月にはオンライン事業専門会社HTS(Hopper Technology Solutions)と旅行予約サービス事業「Vトリップ」のサービス提供を開始した。2025年5月にはキャッシュレスサービス「PayPay」との包括的業務提携を発表した。6月には、Oliveの最上位ランクを新設し、対象となる利用者に対し、決済サービスと資産運用サービスをアップグレードした「Olive Infinite」の提供を開始している。
Oliveは2015年3月に500万アカウントを突破しており、7月15日時点では600万を達成している。
決済、証券、保険といった複数の金融サービスが、1つのアプリで使いたいときに使えるサービスだ。敷居が高いとされる金融サービスをアプリで簡易に使用でき、結果として利用者の生活を便利にし、お金の流れを管理・見える化できるという。SMBCグループのサービスに加え、SBI証券、ライフネット生命といった各業界屈指のパートナーとも連携している。
他金融機関などの利用額を資金移動
カードローン、住宅ローン、外貨拡充へ
Oliveの戦略は大きく2点に集約されるという。一点目が多様で質の高いサービスラインナップ、2点目が利用者に応じたサービスとなるそうだ。
Oliveを2年半運用してわかった点は、利用者の口座の使い方は人それぞれだという。そのため、マネーフォワードとの提携により、他金融機関の利用額をOliveアプリ上で表示し、お金の出し入れを自由に直感的に資金移動ができるにすることを目指している。最終的には、証券、外貨、ローンなどのさまざまな口座も含め、Olive上で簡単な操作で確認できるようにしていく。ビジネス的には、他社からOliveの口座に動いたり、その逆もあるが、「Oliveは真ん中にあれば、行ったり来たりはしながら、最終的には粘着性がある預金というのがOliveに残ると考えられます」と伊藤氏は説明する。
また、Oliveはフレキシブルペイにより、クレジット、デビット、ポイント払い、キャッシュカードと1枚に4つの機能を集約できる。
世界中のVisa加盟店で支払いができるとともに、国内ではクレジット決済ができない多くの加盟店を抱えるPayPayと連携し、PayPay残高の確認、PayPay残高へのチャージ、PayPay残高をSMBC口座へ出金できる機能を提供する予定だ。また、PayPayでは、三井住友カードが優遇される。
Oliveでは専用の金融サービスを順次拡充しているが、カードローン、住宅ローン、外貨などがまだ揃っていないという。
5万円まで無金利で借り入れ可能に
申し込みから返済までスマホ完結
同社では新たなサービスとして、Oliveにスマホローンの「マネーアシスト」を追加。同社の調査によると、ローン・リボ・分割利用は14%、お金のやりくりに不安を覚える人は70%いるなど、「今のローンサービスは一部のお客様には便利にお使いいただいているものの、多くのお客様については、やはり使うのは怖いと不安を感じていらっしゃる」と伊藤氏は述べる。そのため、商品性、コミュニケーションを変えていく必要があるとした。お金に困った場合、多くの人は支出を我慢するが、貯蓄を切り崩したり、積み立てを解約するなどがみられる。クレジットカードに関しても、以前は使いすぎが怖いという話があったが、現在は当月使った支払いを翌月にかけて支払う習慣が根付いてきた。
「マネーアシスト」は、申し込みから利用、返済までスマホで完結するサービスだ。Oliveフレキシブルペイクレジットモードを持つ人を対象に、手数料無料・無金利で、何度でも5万円のローン利用枠内で借入をしてもらえるという。利用月の翌月に一回払いで返済できる。サービス申込から借入・返済までスマホで利用でき、Oliveの口座に入金される。
また、「マネーアシスト」のオプション機能として、Oliveフレキシブルペイクレジットモードや、マネーアシストでの支払額引き落とし時に口座残高が不足している場合、カードローン(金利18.0%)の借入枠を利用して自動で借入し、支払いの遅れを防止する「バックアップ機能」も利用可能だ。
「Olive Infinite」や非金融サービス連携は?
カードローン収益性や他金融サービス差別化、ポイント戦略の考え
2点目の利用者に応じたサービスの提供に向けては「Olive Infinite」の提供が挙げられる。
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