2025年8月5日7:00
GMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)と連結会社のGMOイプシロン(GMO-EP)は、2025年8月4日、オンライン決済インフラ「fincode(フィンコード) byGMO」のMCP(Model Context Protocol)サーバーをOSSとしてGitHubに公開した。
AIエージェントが自律的に経済活動を担う「Agentic Commerce」時代の到来を見据え、世の中の開発者が「fincode byGMO」のMCPを自由に活用できる環境を整備するという。これにより、AIエージェント同士が自律的に取引を行う、Agent to Agent(AtoA)取引の未来に向けた技術基盤の構築を後押しするそうだ。
生成AIの進展により、生活領域から業務領域に至るまで、AIを活用した自然言語による支援ツールの導入が進み、個人および企業の意思決定プロセスは変化しつつある。こうした流れを背景に、海外では、AIエージェントが商品・サービスの検索から比較・購入、さらには決済までを自律的に行う「Agentic Commerce」の試みが広がり、これを支える決済インフラの整備も進みつつある。しかし、日本国内の決済サービスプロバイダー(PSP)において、こうしたAIエージェントとの直接接続を前提とした対応はこれまで進んでいなかったという。
そのような状況を受けて、GMO-PGは、AIエージェント経由で決済機能を活用できる仕組みの開発に先駆的に取り組み、国内PSPで初めて「fincode byGMO」のMCP対応を実現したそうだ。AI開発に先進的に取り組む企業に評価版を提供し、フィードバックをもとにプロダクトの改良を進め、このほどOSSとしてGitHubに公開した。利用企業からは、「決済手段に依存せず一貫したフローでリンクを発行でき、直感的なUI/UXが運用負荷の軽減に寄与した」といった声や、「APIドキュメントが整理されており、追加の確認なく実装を進められたことで、開発工数を抑えられた」との評価が寄せられているという。
今回の公開により開発者は、Claude for DesktopやVSCodeなどのMCPホストを用いて、「fincode byGMO」の導入検討やアプリケーションへの統合を迅速に進めることが可能になる。さらに、AIエージェント上で複数のツールと連携できるため、幅広い開発環境・用途に応じて柔軟に対応可能だ。
なお、MCPとは、AIエージェントが外部サービスの仕様を理解し、適切なリクエストを生成・実行するための共通規格だ。「fincode byGMO」では、MCP対応により、AIとの対話を通じて以下の機能が利用可能となっている。
例えばAIに「決済システムに定期課金を実装したい」と入力すると、MCPサーバーが仕様書やAPIリファレンスを含む「fincode byGMO」の開発ドキュメントを高速検索し、JSON形式でツール定義をAIエージェントに返却する。これにより開発者は、利用する対話型AIエージェントのチャット画面から技術情報を得て、そのまま開発に着手できる。開発者の開発負荷を最小化するとともに、さまざまな機能を持つ「fincode byGMO」の、最適かつ安全な組み込みの実現につながる。
「1,000円の決済URLを作って」と入力すると、AIエージェントが「fincode byGMO」のAPIを実行しリダイレクト型決済URLを即座に発行する。企業の営業担当や個人事業主といったノンエンジニアの方でも、日頃利用するAIとの対話の中で、直感的に決済機能を構築できるそうだ。