2025年9月10日9:05
デジタル決済サービスを提供するStripe(ストライプ)は、2025年9月3日に年次カンファレンス「Stripe Tour Tokyo 2025」を東京で開催した。日本市場では、ユニファイドコマースソリューション「Stripe Terminal」を投入するとともに、EMV 3-Dセキュアでの取引増加に伴う承認率の改善にも力を入れている。
日本の越境ECの決済総額は62%以上増加
Stripe Managed Payments、韓国の現地決済開始
現在、日本Stripeユーザーによる決済総額は前年比40%増となっている。ゲームやデジタルコンテンツ企業などの国際ビジネスも成長しており、Stripe上で越境ビジネスを対象に行われた決済総額は62%以上増加したそうだ。
「Stripe Tour Tokyo 2025」では、AIやステーブルコインなどのグローバル戦略や各種機能のアップデートを発表したほか、ユニファイドコマースソリューション「Stripe Terminal」、および越境ビジネスやスタートアップを支援する機能やプログラムの提供開始を発表した。
Stripe 決済事業責任者 ジョン・アファキ氏は「日本は世界で3番目に大きな対面決済市場を有しています。日本の企業と利用者の両方にとって、高品質な体験がいかに重要かを私たちは理解しています。日本の企業向けに特化した12以上の新サービスを展開する予定です」と語った。
また、スタートアップ支援プログラム「Stripe Startups」の日本向け提供も開始する。同プログラムは、ベンチャー投資を受けた初期段階の企業を支援するために設計されている。事業開始時にStripe製品のコストを大幅に相殺するための料金クレジットの提供を含めた財務上のメリットや、専門性の高いコミュニティ、および豊富なリソースへのアクセスを可能にし、成長の促進をサポートする。
グローバルプロダクト責任者 兼 決済体験 ジェイアール・ファー氏からは、マーチャント・オブ・レコード (MoR) 機能の「Stripe Managed Payments」を、日本のユーザーも利用可能になることが発表された。世界各国の間接税対応や不正対策、不審請求 (チャージバック) 管理、フルフィルメントなどを代行し、新規市場に参入するために必要なすべてのソリューションを一元化して提供する。
さらに、顧客の行動の変化による決済手段の急速な拡大が求められており、韓国の現地決済の利用が可能になると発表した。対象ウォレットは、「Naver Pay」「Samsung Pay」「PAYCO」、対象カードは「新韓カード」「現代カード」「サムスンカード」など、現地発行のすべてのカードブランドに対応するという。
従量課金機能がアップグレード
Stripe Connectはインサイトや不正対策強化
Stripe Billing 製品責任者のウィサム・ヒルザ氏からは、従量課金機能のアップグレードが発表された。同氏によると、2024年度にサブスクリプションを販売した日本のStripeユーザーは8,000社を超えたという。
新たにコードを記述せずにタスクの自動化やカスタムフローの作成ができるワークフロープロダクト「Stripe Workflows」、カスタムロジックを作成して機能を拡張する「Stripe Scripts」、Stripe Taxの対応が102カ国になったことが発表された。
また、製品責任者(アジア太平洋地域・事業拡大)フランシス・トーマス氏からは、自社のソフトウェアプラットフォームやマーケットプレイスに決済サービスを導入できる「Stripe Connect」の新機能を紹介した。
Stripeのアカウントがあれば数クリックで決済可能なネットワークオンボーディングに加え、データインサイトを提供するプラットフォーム向けダッシュボード、プラットフォーム向け不正対策機能が追加された。
ユニファイドコマース強化
新端末やiPhoneのタッチ決済も開始
ストライプジャパン 代表取締役 ダニエル・ヘフェルナン氏は、日本に特化したプロダクトアップデートを発表した。
テクノロジーの進化とともにコマースの体験が進化している。店舗に加え、カタログや通販、eコマースなど、チャネルにかかわらずシームレスな決済体験を提供することが求められている。「ユニファイドコマースの時代を迎えています」(ダニエル氏)。例えば、店舗での購入をオンラインで入力したカードに請求することで、買い物を簡単にすることができる。また、決済を起点にサブスクリプションを開始するなど、ストレスのないオンラインとオフラインの融合した体験を提供していくそうだ。
ガートナーの調査によると、ユニファイドコマースの導入で、事業者の売り上げは20%をアップすることができるという。消費者がオンラインと実店舗を自然と使い分けるようになっている今、その境目がますます曖昧になり、この流れは一層強まっていくとしている。ただ、オンラインとオフラインのデータ統合は難しく、「真の意味で、消費者の購買体験の統合を実現できている例は、世界でも、日本でもそれほど多くありません」とダニエル氏は話す。ECと店舗システムでの異なるデータ形式、在庫情報などのリアルタイム同期などが、ユニファイドコマースの妨げとなっている。
ユニファイドコマースソリューション Stripe Terminal の国内提供を開始した。日本は世界で 25 か国目の Stripe Terminal 提供市場となる。グローバルでは、Shopify、ペプシ、アラスカ航空、レンタカーのハーツなどの企業が利用している。「強みはオンラインとオフラインの決済データを簡単に統合できる点です。すべてのデータがStripeのダッシュボードで一元管理できます」(ダニエル氏)。Stripe Terminal は、 API と SDK、統一ダッシュボードを通じ、事業者が複数のチャネルでリアルタイムに顧客の行動を把握できる環境を提供する。また、顧客ニーズに合わせた決済フローの高度なカスタマイズを可能にするという。
端末はコストパフォーマンスに優れたモデルから、高級ブランドやホテルにあってもなじめるモデルまで提供する。
さらに、iPhone のタッチ決済に対応。物理的なデビットカードやクレジットカードから Apple Pay やさまざまなデジタルウォレットまでiPhone のタッチ決済と Stripe Terminal SDK を使えばシームレスに店頭で非接触決済に対応できるとした。物理的なデビットカードやクレジットカードから Apple Pay や様々なデジタルウォレットまで、iPhone のタッチ決済と Stripe Terminal SDK を使えばシームレスに店頭で非接触決済に対応できる。
INFORICH活用、手数料は非対面と異なる
不正削減と承認率改善をAIとカード会社協力で実現
このコンテンツは会員限定(有料)となっております。
詳細はこちらのページからご覧下さい。
すでにユーザー登録をされている方はログインをしてください。