PayPayが韓国200万店舗で決済可能に 海外でも日本の利用体験をそのまま提供へ

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2025年9月18日8:55

キャッシュレス決済サービス「PayPay」を展開するPayPayは、PayPayアプリが韓国から海外において利用可能になる「海外支払いモード」を、2025年9月下旬以降に開始すると発表した。「Alipay+(アリペイプラス)」加盟店でPayPayの決済ができるほか、個人間送金や残高チャージなど主要機能を海外で利用でき、現地での支払いを日本円でも即座に確認できる。コード決済では過去に「LINE Pay」が海外で利用可能なサービスを提供していたが、現在国内で運営されているサービスではPayPayのみが海外で利用可能だという。同社は9月16日に記者説明会を開催し、執行役員 金融事業統括本部 金融戦略本部長 柳瀬 将良氏が、PayPayのグローバル事業の概況や新たな取り組みと展望について紹介した。

PayPay 執行役員 金融事業統括本部 金融戦略本部長 柳瀬 将良氏

インバウンドの学びを生かす
海外14の国26サービスと連携

9月下旬から、PayPayが韓国の200を超える店舗などで利用できるようになる。柳瀬氏は「インバウンドの事業において、多くの学びがあり、それを生かしてアウトバンドのサービスを開始します」と話す。

訪日客数はコロナ前を超えて成長している。2019年に3,200万人だったが、コロナで縮退した後は2023年から回復しており、2024年には3,700万人、2025年は4,000万人を突破すると期待されている。

PayPayのインバウンド事業も2018年秋に中国の決済アプリ「Alipay」(アントインターナショナル)とサービス連携したことを皮切りに開始した。コロナ禍でいったん減速したが、2020年に「KakaoPay」「AlipayHK」、2023年に「TrueMoney」「Touch‘n Go eWallet」「GCash」と連携するなど拡大し、現在は14の国26サービスと連携している。柳瀬氏は「GMV(流通取引総額)も2019年に比べて約3倍となっています。2024年の入国者数3,687万ですが、Alipay+、HIVEX(ハイベックス)を通じ、訪日客の78%にリーチ可能です」と説明する。

加盟店と協力してプル型施策
ローカル言語で決済完了画面表示

観光客は、自国の決済サービスで、PayPay加盟店において決済できる。事例の1つとして、昨年10月に、台湾のサービス事業者との連携を開始したが、サービス開始から3日間で全国の47都道府県での決済が発生している。台湾の観光客は、東京や大阪、福岡といった大都市だけではなく、日本全国津々訪れているという。さらに、インバウンド消費の促進のため、加盟店と協力し、プル型施策を実行している。

例えば、台湾のJKOPAY(ジェイコペイ/街口支付)では、自国のアプリの中で「PayPayでお願いします」という日本語を音声で店員に伝えられるようにしている。また、決済時にはPayPayの決済音が流れる。ユーザーに対しては、ローカル言語で決済完了画面を表示している。

国内のアクワイアラも黒字化を達成
国内と韓国での体験を同様に設計

今回のビジネスモデルとして、国際ブランドカードの一般的なモデルでは、国際ブランドへのライセンスフィーと、海外支払いの手数料が多く、アクワイアラ(加盟店開拓事業者)は同事業単体では赤字だと言われている。

「我が国のインバウンドの受け皿を広げていこうということに対して足かせになってしまうかなと思っています。一方で、我々のQRコード決済サービスは、クレジットカードに比べて、それぞれの手数料が安くなっており、国内のアクワイアラもきちんと黒字化を達成しています。このことによって、インバウンドの受け皿と加盟店の数をどんどん増やしていける構造になっています」(柳瀬氏)

 

アウトバンドの取り組みでは、「国内の体験と、韓国での体験は、同じように設計しています」と柳瀬氏は話す。利用者が韓国に到着すると、自動的にPayPayが韓国モードに切り替わる。

また、為替レートを常時表示しており、現地で例えば1万ウォンは1,119円であることがわかる。また、残高も使える金額(₩⇔¥)を切り替えることができる。なお、為替レートは1日1回更新される。

PayPay残高、PayPayクレジット双方で決済可能
Alipay+の韓国全200店舗の拠点で支払える

支払いに関しても従来通りだが、若干違うのは「Alipay+」で支払うことを現地言語で表示しているため、店舗に確認してもらうことが可能だ。

なお、赤い画面のPayPay残高、青い画面のPayPayクレジットの双方で支払いが可能だという。決済時は「PayPay」の決済音が鳴る。また、決済画面は日本語および韓国語で表示される。

韓国では、Alipay+の全加盟店で利用可能だ。ストアスキャン方式(CPM)とユーザースキャン方式(MPM)の両方に対応する、韓国では、MPMが約170万、CPMが約30万となっており、全200店舗の拠点がある。コンビニ、飲食、ショッピング、百貨店・免税店、宿泊・レジャー、交通、ビューティなどで使用可能だ。

利用カ所は、Alipay+、ZeroPay(ZeroPayはユーザーがQRコードをスキャンする方式のお店のみ)のロゴが目印となる。

セキュリティ担保、利用拡大の鍵は現地訴求
国内提供サービスとの違いや利用額の目標は?

韓国はクレジットカードなどのキャッシュレスが進んでいるが、屋台などではコード決済のみが使える店舗もあるという。PayPayでは、韓国で対応する加盟店がさらに増えることを期待している。

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