2011年8月29日16:23
大日本印刷(DNP)は、人体から生じる汗などの水分の影響で通信感度が低下することのないUHF帯ICタグカードを開発し、2010年10月から販売すると発表した。
UHF帯ICタグは、LF(長波)帯やHF(短波)帯などの他の方式のICタグと比べて通信距離が長く、人や車両の入退場管理などのさまざまな場面で利用されている。しかし、例えばUHF帯ICタグカードを、ポケットに入れたまま使用すると、人体の水分の影響によって通信距離が通常よりも短くなってしまい、リーダーでの可読性が低下するという課題があった。
今回開発したUHF帯ICタグカードは、ポケットに入れたままの状態でも通信環境を良好に保つことができるため、ハンズフリーで利用できるなど、利便性が大幅に向上するという。同タグを利用すれば、オフィスや工場への入退場時などにUHF帯ICカードをリーダーにかざして読ませる必要がなくなり、荷物を持った状態で両手がふさがっていても、カードをポケットに入れたまま入退場できるようになる。
通信距離は1~3mで、価格の目安としてはロット5,000枚で、1枚あたり500円(税抜)となっている。DNPは、教育機関や医療機関、工場などの入退場管理システムのほか、セキュリティシステムを扱うSIerなどに同製品を販売し、2012年度に年間で約5億円の売上を見込んでいる。