2011年11月11日8:47
ソニーは、2011年11月10日、近距離無線通信規格NFC(Near Field Communication)において、モバイルFeliCaに加え、近接型非接触通信規格 ISO/IEC14443 Type A/Type Bにも対応した、モバイル向け無線通信LSIを業界で初めて商品化したと発表した。今回開発したNFC無線通信LSI「CXD2235AGG」は、11月から出荷を開始。サンプル価格は600円となっている。
13.56MHz帯の周波数を利用したNFCには、主に日本やアジアで普及しているFeliCaや、欧州や米国を中心に利用されているType A/Type Bの非接触IC技術がある。一方、世界的にスマートフォンによるモバイル決済の普及が見込まれる中、3つの非接触IC技術に対応し、ユーザーの利便性を向上することが求められていた。CXD2235AGGは、これら3つの非接触IC技術に対応した通信データの送受信を実現し、国内外のNFCを使用した端末でのモバイル決済に対応が可能となる。無線通信規格は、ISO/IEC-18092とISO/IEC-14443、インターフェース規格はETSI TS 102 613と ETSI TS 102 622に対応している。
また、リーダライタ機能を搭載したことにより、NFC Tag(ISO/IEC14443やFeliCaの通信方式で動作するICカードやICタグ)を埋め込んだポスターからの情報取得や機器間通信、BluetoothやWiFiなどの認証機能としての使用が可能となる。さらに、同LSIに搭載したFeliCa/Type A/Type Bの自動判別機能によって、モバイルFeliCa同様、決済前の操作が不要なユーザーインターフェースと、FeliCaで要求される高速応答処理を実現したという。
CXD2235AGGは、1つのLSIでモバイルFeliCa対応NFCを実現したことにより、スマートフォンの部品点数削減などに貢献できるという。ソニーでは、日本の携帯電話向けに、国内外のスマートフォンメーカーへ広く販売していく方針だ。