2012年1月25日15:53
ミック経済研究所(ミック)は、国内におけるEC(電子商取引)のネット決済代行サービスの市場規模を発表した。
同調査では、国内のECにおけるネット決済代行サービスを提供している企業を対象に実施。その結果によるとネット決済代行サービス市場規模は、2010年度で90,200百万円、2011年度で前年度比118.6%の107,000百万円となる見込みだ。
成長の要因は、EC利用者の増加が挙げられ、ECが身近なものとして消費者に浸透してきていることがうかがえる。利用者と取引数の増加を背景に、調査対象である決済代行事業者も好調な売上推移を示している企業が多い。すでに契約稼動店舗数が3万店を超える事業者もでてきており、魅力のある優良な契約店舗やEC事業者の取扱高増加が決済代行サービス事業者の売上増加につながっているという。
2011年3月11日の東日本大震災の影響については、震災直後の物流やサプライチェーンの混乱、消費自粛ムードなどによって一時的にECの取引は減少したものの、1カ月程度で元の取引状況に戻った企業が多く、業績への影響は限定的だったそうだ。
今後は、スマートフォンからのネットショッピングやゲームの利用は急激に増えると予測。また今後の国内EC市場の拡大要因の1つとして、海外の消費者向けに物品やコンテンツの販売をする海外EC市場への進出も挙げている。
ネット決済代行サービス市場は、競合先と比較して決済メニューやシステムに大きな差がなく、価格競争が激化しているもののEC化率の上昇とEC市場の成長をバックに好調な推移が続く見込で、2012年度から2016年度まで平均成長率15.4%で推移し、2016年度には2,191億円の市場規模になると同社では予測している。