2020年6月18日8:30
ミック経済研究所は、国内におけるEC(電子商取引)のネット決済代行サービスを対象とした「ECにおけるネット決済代行サービス市場の現状と展望 2020年度版」を発刊したと発表した。
同マーケティング資料は、国内におけるネット決済代行サービス事業者(以下PSP:Payment Sevice Provider)を対象に、ネット決済代行サービス売上及び市場の動向について分析している。具体的には、P2P 22社の売上実績を、「ⅰ.契約形態:決済処理型、収納代行型」「ⅱ.決済手段:クレジットカード、コンビニ、電子マネー、ネットバンク、キャリア、振込/ATM、国際決済(外貨・Alipay、PayPalなど)、ID 決済など」「ⅲ.商品カテゴリ:物販、デジタルコンテンツ、サービス(役務含む)、公金・公共料金」の3つ観点から集計・分析し、それを積み上げ、2024年度までのECにおけるネット決済代行サービス市場の中期予測をしている。
同調査によるとネット決済代行サービス市場規模は、2019年度で294,700百万円、2020年度は、新型コロナウイルスの影響がどこまで続くのか各社とも予想しづらい状況であるものの、この状況下にあってECを使い始めた新たな利用者層がでてきたり、巣ごもり消費でデジタルコンテンツの利用が急増したり、日用品や衛生品のネット購入が増えたりといったプラスの影響と旅行やイベント関係が中止になるというマイナスの影響を相反しつつ、上位の有力企業が牽引する形で二桁伸びが予想され、前年度比112.4%の331,200百万円となる見込みだ。
ここ数年で企業に限らず、誰(個人)でも簡単にECサイトを立ち上げることができるサービスや簡易なコードをWebサイトに組み込むだけで直ぐに決済サービスを導入できることを特徴とする事業者の参入、および大手ECモールの出店無料化などの影響などにより、ECモールに新しく参入する事業者や個人が増加し続けている。さらにEC専業の中小規模ショップだけでなく、ECサイトと実店舗の両方を持つ事業者や、直接消費者に販売するメーカー直販(D2C)サイト、またカタログ通販やテレビ通販などの従来の通販企業など、実店舗や既存の販売チャネルに加えて、ECも消費者と繋がる重要なチャネルとして注力する企業が増え、PSPにとっての顧客が増えているとした。
国内のEC市場は、参入企業や個人が増加し、これからも競争は激しいながらその中でも順調に成長していくと予想される。さらに新型コロナをきっかけに誕生する新しいオンラインビジネスや新たなEC利用者層も加わり、EC化率も上昇が見込まれ、ネット決済代行サービス市場もこのまま高成長が続くと予測した。2020年度から2024年度まで平均成長率14.1%で推移し、2024年度には5,690億円の市場規模になると予測したそうだ。