2012年6月26日10:58
オンラインとオフラインの融合が重層的なコミュニケーションを実現する
自社コミュニティには、ターゲットの絞り込みの容易さや、フォーマットにとらわれない企画の自由度など、外部のSNSにはないさまざまな特性がある。さらにオンラインとオフラインをうまく組み合わせることによって、コミュニケーションの深化を図り、ファンの育成につなげることが可能となるだろう。
立ち上げの手軽さや運営コストの低さでは
外部SNSの活用に軍配が上がる
“コミュニティ”とはそもそも、「共同体」や「地域社 会」などを指す言葉だが、そこから転じて「企業が提 示する価値観に共感する顧客のコミュニケーションの “場”」として発展してきたのが“企業が独自に主宰・ 運営する自社コミュニティ(本誌ではこれもソーシャ ルメディアの一種ととらえている)”である。この形態 として従来、主流だったのは、会費制による会員組織 であり、主な活動内容はリアルなイベントの開催や会 報誌の送付、自社商品の特別価格での販売などであっ た。その後、インターネットの普及に伴い、無料で参 加できるネット上の自社コミュニティが急増。そこで の活動の中心は、企業と顧客、さらには顧客同士の情 報交換、すなわち、コミュニケーションそのものへと 変化していった。
コミュニケーションを通じて顧客・見込客の企業へ の親近感やロイヤルティは高まり、関与度が向上。こ れによって、商品・サービスの購買を促進することも 期待できると言われている。また、商品開発・改善な どに役立つ顧客の声を収集する場としても活用できる ことから、企業のコミュニティ構築・運営への関心は 高い。
そしてさらに昨今では、Facebookページやmixiペー ジといった、企業が自ら仕組みを構築するまでもなく、 ほとんど無料で利用できる外部SNSが登場したことか ら、企業にとってのコミュニティ構築・運営のハード ルは大きく下がっている。
このような中で、あえて自社独自のコミュニティを 立ち上げ、運営する意義はどこにあるのか。ソーシャ ルメディア全盛時代の、自社コミュニティのあり方を 探った。
月刊「アイ・エム・プレス」Vol.194 2012年7月号概要