2016年4月5日19:21
JR西日本、阪神電気鉄道、阪急電鉄、京阪電気鉄道、近畿日本鉄道、南海電気鉄道、大阪市交通局、神戸市交通局、京都市交通局の鉄道9社局、関西エアポートおよび関西経済連合会は、関西への訪日外国人旅行者の受入環境整備の一環として、訪日外国人旅行者向け関西統一交通パス「KANSAI ONE PASS」を、2016年4月8日から試験的に販売すると発表した。
関西では、関経連などが2015年2月に「関西広域観光戦略」を取りまとめ、現在、さまざまな取り組みを進めている。訪日外国人旅行者の利便性向上に資する「KANSAI ONE PASS」は、同戦略において、受入環境整備の核の1つとして位置づけており、昨年から、鉄道9社局等が参加するワーキンググループにおいて、販売に向けての検討を進めてきた。
「KANSAI ONE PASS」は、JR西日本の「ICOCA」をベースとしたチャージ式交通ICカードで、「ICOCA」エリアや「PiTaPa」エリアなど、「ICOCA」利用可能エリアの鉄道・バスを1枚のカードで周遊できる。また、関西国際空港内の41店舗を含めた150カ所のショッピング施設や観光スポットにおいて利用できる優待特典を付加している。
価格は3,000円で、3万枚発行し、関西空港駅および京阪神の各社局主要駅を中心に19カ所で販売する。販売時には、鉄道路線マップ付き利用ガイドを配付するとともに、専用のモバイルサイトにおいて、優待特典情報や関西の観光情報が照会可能だ。
鉄道9社局、関西エアポートおよび関経連では、今後、「KANSAI ONE PASS」による回遊性の向上、消費意欲の喚起、および観光情報の発信強化を図っていく方針だ。これらの取り組みにより、国からの認定を受け、近畿運輸局と連携し、形成を図っている広域観光周遊ルート「美の伝説」への誘客をはじめ、関西のインバウンド底上げに貢献していきたいとしている。また、3月24日に設立した、関経連、関西広域連合、関西地域振興財団など60団体からなる関西への外国人旅行者の誘客を推進する組織「関西国際観光推進本部」においても、「KANSAI ONE PASS」を主要プロジェクトの1つに位置づけ、利便性向上や観光情報の発信強化等に取り組む。