2016年10月4日22:31
大日本印刷(DNP)は、2016年7月から開始した地域通貨や地域共通ポイントの導入を支援する「DNP地域通貨ポイント向け流通プラットフォーム」において、静岡県清水町の地域通貨ポイント「ゆうすいポイント」に採用されたと発表した。
DNPは、地域情報ポータルサイト「まいぷれ」を運営するフューチャーリンクネットワーク(FLN)に出資し、地域情報ポータルサイトと地域通貨ポイントを活用した事業の強化を進めており、今回の清水町での採用を契機として、今後全国の自治体に導入を広げていくという。
静岡県清水町は、住民サービス向上のためのさまざまな施策を実施しており、そのなかで公共施設の充実とその十分な活用および商業地域の活性化を目指して、地域ポイント制度「ゆうすいポイント」を2016年10月2日に開始した。カードを持つ生活者が清水町内の地域交流センターや温水プール、図書館などの公共施設を利用する度に、来場ポイントが付与される。また、貯めたポイントは1ポイント=1円換算で清水町内の加盟店で利用できるほか、買い物の金額に応じて、さらにポイントが手にできる。10月時点で約50の加盟店を順次増やしていき、今年度中に100店舗を目指す。
今回、この「ゆうすいポイント」で、「DNP地域通貨ポイント向け流通プラットフォーム」が導入された。
従来、ポイントサービスの設定や管理はポイント決済端末ごとに行ってきたが、同プラットフォームはクラウドサービスのため、サーバーで一括して行うことが可能だ。時間帯別のポイント倍付けサービスなどについても、対象端末の変更設定をサーバーで一括処理できるため、運営事務局や店舗などの業務負荷軽減につながるという。
また、Webキャンペーンやイベント参加特典などのポイントを付与する場合、事務局は専用のポイント受け取り端末を用意し、利用者はその端末の設置場所に行ってカードをかざす必要があった。
同プラットフォームではサーバー側でポイント付与の設定ができるため、利用する生活者が普段の買い物などでポイント決済端末にカードをかざした際に、キャンペーンやイベントのポイントも自動的に受け取ることができる。また、事務局は専用のポイント受け取り端末を用意する必要がない。
なお、同プラットフォームは、FeliCaポケット搭載カードを利用するため、カードの発行後にもボランティアや健康増進、駐輪場利用、プレミアム商品券等、さまざまな行政・地域施策と連携したポイントサービスを追加することが可能だ。
DNPは、「DNP地域通貨ポイント向け流通プラットフォーム」および関連事業で、2016年度からの5年間の累計で、約40億円の売上を目指す。