2017年8月10日8:00
インヴァスト証券は、2017年8月9日に都内で記者説明会を開催。カード会社のジャックスと提携して発行するクレジットカード「インヴァストカード」および、同カードの利用で貯まったポイントを「自動売買」を使った積立投資で運用することで、元手資金ゼロから資産運用をはじめることができるサービス「マネーハッチ」について紹介した。当日は、ジャックス 営業戦略本部 カード推進部 カード推進一課 課長 渡邊修一氏がインヴァストカード発行の経緯について説明した。
1ポイント単位でインヴァスト証券の取引口座に自動キャッシュバック
カード利用者は元手資金ゼロで投資を体感できる
「インヴァストカード」は、ジャックスカード加盟店もしくはVisa加盟店で利用すると、インヴァスト証券のポイントが100円(税込)ごとに1ポイント(1ポイント=1円の価値)付与される還元率 1%のクレジットカードだ。毎日のショッピングで貯まったポイントは、1ポイント単位から毎月自動でインヴァスト証券の取引口座にキャッシュバック。そのため、ポイント交換忘れによる失効の心配はない。
キャッシュバック後は、インヴァスト証券の投資取引ツールで自動積立投資と自動売買投資機能を利用することが可能だ。利用方法は簡単で、これまで投資経験のない人でも、運用資金や投資に関する知識やコストなどに大きなストレスを感じることなく、元手資金ゼロで投資を体感できることを売りとしている。
ジャックスでは、複数の高還元カードを発行してきたが、利用者へのアンケートでは約7割の人がクレジットカードのポイントサービスの仕組みがわからないと回答したという。ポイントサービスはクレジットカードの入会動機の1位だが、クレジットカードのポイントサービスを把握できていない結果に衝撃を受けたそうだ。同社が各カード会社に確認したところ、ポイントサービスの失効率が低いのは日常使いが多い流通系カード会社で約3割。失効率が高いカードでは、約5割が有効期限内にポイントが使われていない。
「ポイント資産形成型」のサービスを実現
ポイント交換の手間、ポイント失効の心配がない
ジャックスでは、今回のカード発行に当たり、単純明快で、かつ付けているポイントを獲得できるサービスを開発できないかと考えた。ただ、ジャックス単体でサービスを開発する場合、利用者が指定した口座に金額を振り込まなければならず、付けたポイント以上のコストがかかる可能性がある。そのため、証券会社と提携できれば自動キャッシュバックのサービスが作れると考え、インヴァスト証券と連携することになったそうだ。
「貯まったポイントをキャッシュバックして入金するだけではなく、マネーハッチを使って資産形成拡大を目指すところまで連携できるようになり、われわれが当初想像していたものよりも素晴らしいサービスになりました」(渡邊氏)
従来のクレジットカードのポイントは「ポイント消費循環型」だったが、インヴァストカードは「ポイント資産形成型」であるのが違いだという。これまでのカードは、貯まったポイントが次回の買い物のために消費されるケースが多かったが、「インヴァストカード」では、投資ツール「マネーハッチ」を使って、元手資金ゼロで資産形成することが可能となった。
キャッシュバックから投資まで全自動となっているため、カード会員は投資による資産形成を楽しむことができ、顧客満足度を高めることができると期待している。たとえば、ジャックスのカードショッピングの月間平均利用額は6万円だが、インヴァストカードであれば月に600ポイント貯まり、もれなく年間7,200ポイントが獲得できる。ポイント交換の手間や、ポイント失効の心配もない。
なお、他のカード会社では、クレディセゾンが永久不滅ポイントで長期投資を擬似体験できる「ポイント運用サービス」を提供しているが、100ポイント(10万円利用)で会員の任意交換が必要だ。また、運用後は永久不滅ポイントとしての取り出しが求められるが、渡邊氏によると、自動キャッシュバックにより交換手続きが不要な点、運用後に取引口座からキャッシュアウトが可能な点が差別化のポイントとなるそうだ。
インヴァスト証券は積立投資サービス「マネーハッチ」を提供
クレジットカードのポイントが投資積立原資に
ジャックスとインヴァスト証券では、インヴァストカードのリリースを記念してクレジットカードを発行するだけで1,000円もらえるキャッシュバックキャンペーンを開催。キャッシュバックは積み立て原資としてマネーハッチで利用することが可能となっている。
インヴァストカードの利用には、インヴァスト証券の口座開設が必要となり、元手資金ゼロから資産運用が可能なサービスであるマネーハッチを利用する。マネーハッチでは、クレジットカードのポイントに加え、インヴァスト証券が提供するFXサービスでトレードするだけで、売買数量に応じて積立原資が貯まる方法を用意している。また、投資手法として、マネーハッチではユニークな方法を採用。投資対象の海外ETFを差金決済方式であるCFDの形態で取引することにより、海外投資の欠点である元本の為替リスクを排除し、0.1口からの少額投資を可能にしている。また、独自の自動売買手法を取り入れることで、資産の変動幅を抑えた安定感のある高いパフォーマンスを実現したそうだ。マネーハッチでは、投資を体感することで、投資に関する知識や必要性、楽しさを学ぶことができるという。
コストは、保有時の金利のみとなり、資産に応じてかかる信託報酬、手数料や月額も不要だ(保有ポジションによって一部調達金、分配金の受払発生あり)。今後は、他の金融機関が提供する積み立て運用先をマネーハッチの選択肢として増やしていくことも想定している。