2017年4月10日8:00
投資未経験者でも手軽に運用可能なサービスとして1年で10万人の利用を目指す
クレディセゾンは、同社が提供する有効期限のない永久不滅ポイントで長期投資を擬似体験できる「ポイント運用サービス」を提供している。すでに利用者は3万人を超えており、投資未経験者でも手軽に始められるサービスとして好評だ。
永久不滅で貯まるポイントだからこその課題とは?
投資教育にも役立つサービスとして期待
「ポイント運用サービス」は、「永久不滅ポイント」付与対象カードを保有する会員のうち、Webサービス「Netアンサー/アットユーネット」に登録しているネット会員が対象となる。運用コースは、外国株式・外国債券を中心に積極的にプラスを狙う「アクティブコース」、国内債券を中心に、安定的な運用を目指す「バランスコース」の2つから選択可能だ。対象の投資信託の運用実績に応じて運用中の「永久不滅ポイント」が増減するサービスとして、注目を集めている。
現在、クレディセゾンの「永久不滅ポイント」を保有している人は1,700万人以上(ポイント運用に必要な100ポイント以上の保有者は1,300万人)。クレディセゾン カード事業部 営業企画部長兼営業企画部 プロモーション戦略グループ 部長 相河利尚氏は、「有効期限を撤廃した永久不滅ポイントが2002年にスタートしてから15年経過し、他社のポイントに比べて失効しないところの斬新さは未だあるものの、ポイントをお使いになられずに貯め続けている方が多く、『貯めたポイントを有効に活用されているか?』という問題意識がありました」と説明する。
また、金融や資産運用の面から考えると、日本の投資教育は欧米に比べ不十分だといわれる。投資に興味はあるが知識・経験がない人も多く、実際に投資教育を受けても面白いと感じてもらうのが難しい側面もある。そうした課題を解決できるサービスとして、「ポイント運用サービス」を開発した。
「日本および世界的にも例がないサービスだったため、金融商品に該当する『金融商品取引法』、資金移動業に当たるかという『資金決済法』も確認のうえ金融庁にも相談し、理解を得ています。金融庁からもまた、資産運用を多くの人に体験してもらえるサービスであることに興味を示していただきました」(クレディセゾン 経営企画部 グループ戦略室 担当部長 美好琢磨氏)
1ポイント単位で取り出しが可能
大半の利用者が9割以上の保有ポイントを預ける
今回、同サービスを利用する永久不滅ポイント残高は、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問が運用する投資信託の運用状況に連動し増減する。利用者はバランスシート上で、日々変動するポイント増減をチェックし、タイミングを計ってポイントを引き出すことでポイント残高を増やすことが可能だ。利用ポイント数は、運用100ポイント以上100ポイント単位、取り出しが1ポイント単位で行える。そのため、仮に運用中のポイントが増えれば、少額でも取り出すことが可能だ。
「他のポイント事業者やカード会社と比較してもわれわれがもっとも本サービスが受け入れられると感じた理由は、2002年に有効期限のない「永久不滅ポイント」」をスタートして以来、15年間『永久不滅ポイント』を貯め続けていただいている強みです。少ないポイントで増減しても楽しさが半減しますが、大半の方がお持ちいただいているポイントの9割以上をポイント運用サービスに預けていただいています」(相河氏)
なお、同サービスの仕組みに関して特許を出願中であり、そのままのサービスを他のカード会社等が実施することは難しい。
ポイント運用コースの利用者は約3万人
Netアンサー/アットユーネットの利用も約3倍に
2017年3月末現在、「ポイント運用コースの利用者は約3万人を超え、順調にその数は伸びている。美好氏は、「証券会社で投資信託を購入するとなると、証券口座の開設、金額を投入するなど、手間が必要ですが、これなら10秒もかからない手軽さで体験できるのが、一番受け入れられた要因であると考えています」と語り、笑顔を見せる。
利用者の傾向として、男性がやや目立つものの、女性の利用も3割以上を占めている。特に30~40代の女性からの支持が高いそうだ。また、従来のNetアンサー/アットユーネットは、利用明細金額が確定した時などに訪れる傾向があったが、「ポイント運用サービス」の利用者は約3倍の訪問がある。
1人約7,500円分が運用され、ポイント利用がはじめての会員が約4割を占める
1年間で10万人の利用を目指す
「永久不滅ポイントをお貯めいただいている方で、1回でもポイントを交換したことがある方は約25%、残りの75%はポイントを交換したことがなく、1人あたり平均で1,500~1,600ポイントを保有されています。『ポイント運用サービス』では、すでに平均7,500円分のポイントを預けていただいており、このサービスではじめてポイントをお使いいただいた方が4割弱いらっしゃいます。ポイントを使うことの価値をさらに感じてもらうことが可能になり、われわれにとってはメインカード化、新規カード獲得の武器になると感じています」(相河氏)
現在は、SNS等を通じたプロモーションを実施しているが、今後はマスでのプロモーションも検討しており、3月16日にはPR動画も制作した。サービスの稼働後は、新規会員獲得や会員のポイント利用活性化につながるという実感が強くなっている。クレディセゾンでは、1年間で10万人の利用を目指しているが、「現在のペースでいくと達成できる見込みです」と相河氏は笑顔を見せた。