2010年10月8日8:30
CRM施策の現状~読売巨人軍
ゲーム性の高さやユニークな
特典引き換えシステムを特徴とするポイントプログラム
ジャイアンツCLUB G-Poの仕組みは、G-Poとしてスタートした2007年シーズンと基本的には変わっておらず、来場および来場したゲームの内容などにより貯めたポイントに応じ、さまざまな特典を享受できることが大きな柱になっている。
ジャイアンツCLUB G-Poがほかのポイントプログラムと一線を画している点としては、ゲーム性の高さや特典引き換えシステムが挙げられる。
ゲーム性については、前述のMy HERO制度により、さらにその魅力を増すこととなった。特に無料会員では2選手の登録であるのに対し、有料会員では3選手の登録が可能となる仕組みとすることで、有料会員化を促進する一要因ともなっている。
特典引き換えシステムについては、ほかのポイントプログラムと違って、特典引き換えを行ってもポイントが減らない点がユニークだ。つまり、ポイントを貯めるごとに特典を受け取りつつ、よりグレードの高い特典を目指せる仕組みであり、会員のポイント獲得意欲をシーズン終了まで継続して喚起することを可能としている。
なお、ポイントプログラム以外で人気が高い特典は、有料会員のみに提供している主催公式戦チケットの先行抽選販売である。
これは、公式戦ホームゲームのチケットを一般販売に先駆けて、抽選販売するもの。さらに甲子園(阪神戦)、ナゴヤドーム(中日戦)、横浜スタジアム(横浜戦)、千葉マリンスタジアムで行われるビジターゲームのチケットも販売し、コアな野球ファンを中心に好評を博している。
「ジャイアンツCLUB G-Po」を軸とした
来場促進を展開
そのほか、ジャイアンツCLUB G-Poを軸とした来場促進施策としては、2009年からスタートした「○○選手デー」が挙げられる。
これは人気が高い東京ドームのジャイアンツ戦の中でも、比較的集客が難しい平日の下位球団との対戦カード年間10試合程度について、特定選手をフィーチャーした選手デーに設定。My HERO制度で当該選手を登録している会員を対象にダイレクトメールを送付し、抽選でのプレゼント進呈をオファーすることで来場を促進した。ちなみに、「ラミレス選手デー」では登録会員約6,800人にダイレクトメールを送付した結果、約20%が来場したとのことである。
また、1カ月以上来場がない会員には、それまでの来場履歴から勝率が高い会員をピックアップし、「あなたが来ると勝率○%」といった内容のダイレクトメール、eメールを送付。こちらについても、対象会員の10%程度の来場を得ている。
※本記事はアイ・エム・プレス社発行の「CRM年鑑2010」に掲載された内容の一部をご紹介したものです。
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