2018年7月31日8:32
LINE Payは、2018年7月30日に恵比寿ガーデンルーム(東京都目黒区)で、コミュニケーションアプリ「LINE(ライン)」上で展開するモバイル送金・決済サービス「LINE Pay」のコード決済普及施策について紹介する記者向けの説明会を開催した。同社では、QR決済と販促展開が可能な加盟店向けの決済端末を自ら開発。5つの加盟店向けサービスで小規模から大規模加盟店まで、ニーズに応じたサービスを展開していく。
「10円ピンポン」でアクティブユーザーが270%
「Payトク」キャンペーンでコード決済金額が70%増に
LINE Payでは、2018年6月28日に開催した「LINE CONFERENCE 2018」において、国内でのコード決済普及施策を「Payment Revolution(ペイメントレボリューション)」として発表した。
LINE Pay 取締役COO 長福 久弘氏は、キャッシュレス化を実現し、ユーザーがコード決済サービスを当たり前に使うようになるためには、「インセンティブ」と「体験」が重要だとした。インセンティブとして、2018年8月1日から、「マイカラー」制度をアップグレード。利用登録するだけでホワイトバッジを0.5%付与することとなった。また、最低ポイント付与率を見直し、各バッジカラーのポイント付与率を、グリーン 2%、ブルー 1%、レッド 0.8%、ホワイト 0.5%と変更している。
「体験」としては、2018年6月18日から7月17日の30日間、友だちに10円を送るだけでローソンやマクドナルドの人気商品が手にできる大型キャンペーン「10円ピンポン」を全国で実施した。キャンペーン中は、アイドルグループ「欅坂46」のメンバーが出演する「10円ピンポン」の新TV CMを全国で放映。その効果により、アクティブユーザーは270%増を記録したという。
また、「体験」を「習慣化」してもらうため、月末の7日間「Payトク」キャンペーンを実施。まとめ買いをするといったニーズをサイクル的に作っていくことが目的となっている。期間中、LINE Payを初めて利用する人には20%還元、2回目以降利用する人も10%還元した。6月末に開催のキャンペーンではコード決済金額が70%増となった。
「LINE Pay 店舗用アプリ」は販促も売りに
マルチ決済対応のStar PayやPOS向けも展開
LINE Payでは、2018年中にLINE Payが利用できるシーンを100万カ所にする目標を掲げている。現状は9万4,000カ所となっているが、国内約72万カ所で利用できるJCBの「QUICPay」との連携により、利用カ所は大幅に拡大する見込みだ(店舗数ではなく端末設置台数)。
加盟店拡大に向けては、5つのサービスポートフォリオを展開し、小規模からPOS加盟店まで、さまざまな規模の加盟店の利用につなげていく。1つめは、「LINE CONFERENCE 2018」で発表された、(SMB)向けの決済アプリ「LINE Pay 店舗用アプリ」だ。「LINE Pay 店舗用アプリ」は、2018年8月から2021年7月末までの3年間、初期費用無料に加え、決済手数料ゼロで展開していく。
店舗用アプリ加盟店は、コミュニケーション機能を活用した販促にも取り組むことが可能だ。店舗のアカウントと連携することで、1,000通までメッセージ配信が行える。将来的には、店舗のハウスカード、独自のクーポンなど、SMBの成長をサポートさせる独自機能の展開も考えている。
2つめは、通信費やデバイスを導入せずに、安価にはじめたい事業者向けの静的QRコードの展開だ。決済手数料は3.45%で、QR掲示物制作費および管理費が別途必要となる。
3つめが、ネットスターズが展開する、QRコード決済に特化したマルチ決済プラットフォーム「Star Pay」端末(端末費用3万5,000円)で、LINE Pay以外にも、中国人向けインバウンド決済サービスなど、マルチ決済に対応可能だ。4つめがPOS向けで、大手企業を中心に、既存のオペレーションを変更したくない事業者が対象となる。なお、Star PayとPOS向け加盟店の決済手数料は3.45%となっている。
LINE Pay専用のスタンドアロン端末を開発
QRコード表示スクリーンを搭載、他のQR決済やNFC対応は?
そして、新たに、LINE Pay専用のスタンドアロン端末を開発していることが発表された。同端末は、まずは日本と台湾で展開。年内に申し込み受付を開始する予定だ(決済手数料は調整中)。QRコード表示スクリーンを搭載し、グリーンとホワイトの2色のカラーを投入する。また、端末には「Nマーク」の表示もあり、NFC機能も搭載している(サービス開始当初は非対応)。
なお、現状は、LINE Payのみの対応で、他の決済手段への対応は想定していない。また、決済に加え、 店舗用アプリ加盟店同様に販促機能の提供も可能だ。長福氏は、「5つのラインナップで100万カ所を目指していきたい」と意気込みを見せた。