2018年8月8日8:00
USENの契約店62万店などに営業、Lakalaの1億人ユーザーにも利用を促す
USEN-NEXT HOLDINGSは、2018年6月26日、中国大手のアクワイアラ・プラットフォーマーである Lakalaの日本法人であるラカラジャパンと業務提携契約を締結した。今回の契約により、同社傘下のグループ企業を通じて、「Alipay(支付宝)」、「WeChat Pay(微信支付)」の提供を開始する。
中国でAlipay、WeChat Payの実績のあるLakalaと提携
小規模事業者を開拓し、面で加盟店拡大へ
近年、訪日中国人観光客は増加傾向にあるが、USEN-NEXT GROUPのUSENやアルメックスなどでは、インバウンド対応の強化に向け、AlipayやWeChat PayといったQR決済の検討を進めていた。そうした中、中国の電子決済プラットフォーマーとして、約500万店舗の加盟店、法人ユーザー270万社、1億人の会員基盤を有し、年間流通総額約34兆円を誇るLakalaの日本参入のタイミングと合致し、両決済サービスの開拓を進めることとなった。
USEN-NEXT HOLDINGS 金融サービス企画室長 竹石祐也氏は、「Lakala様は、Alipay、WeChat PayといったQR決済サービスを取り扱いできるプラットフォーマーとして魅力的でした」と述べる。国内の中国人向けモバイル決済のプラットフォーマーでは、AlipayとWeChat Payの双方を取り扱いできる企業は少ないが、Lakalaでは中国ですでに両決済サービスを提供している。さらに、「1億人の会員に対してダイレクトに送客などマーケティングの支援をいただけることも大きいです」と竹石氏は期待する。
今回の提携では、1億人の会員基盤に対し、USEN-NEXT GROUPの加盟店情報を発信し、訪日中国人観光客の来店を促すことが可能だ。竹石氏は、「小規模事業者への決済サービス導入に向け、Lakala様の力を借りて、面を取りに行きたいです」と意気込む。
USEN-NEXT GROUPでは、業務店事業、業務用システム、コンシューマ事業など、幅広い事業を展開している。飲食や宿泊などのサービスも提供しており、営業力も強みとなる。Lakalaとしても、USEN-NEXT GROUPと提携することで、国内での展開を加速できると期待しており、相互の利害が一致したことから、提携に至った。
Lakalaは将来的なマルチ決済端末を見据えた
FUJIAN LANDIの「APOS A8」を提供
「弊社では、中国人旅行者が親しみやすい決済手段を提供できます。日本は少子高齢化の課題があり、キャッシュレス化で一番のハードルになっているのは個人事業主のハード面であるため、FUJIAN LANDIの『APOS A8』を提供することで、決済と送客に貢献していきたいです。Lakalaは、決済技術に特化しており、弊社の端末でどの支払い手段であろうが、QRさえお出しいただければ識別はバックヤードで自動的に行えます。決済の際の利便性も他社とは圧倒的に違いますし、正真正銘のマルチ決済を提供できます」(ラカラジャパン 代表取締役社長 張健〈Cho Ken〉氏)
A8は、中国本社で240万台を購入。日本での展開に関しては、LANDIと独占契約する予定だ。決済端末の価格も競争力のある形で提供する予定。
国内では、AlipayとWeChat Payの支払いからスタートするが、その他、日本も含めたQR・バーコード支払いのサポートも予定している。
まずは加盟店掲示型のQRコード決済からスタート
単年で数十億円を想定し、リーディングカンパニーを目指す
両社の提携では、グループ傘下であるUSENにて、利用者のモバイルカメラでQRコードを読み取る加盟店掲示型QRコード決済のサービスから提供する。小規模店舗でも低価格でインバウンド対応が可能となるため、観光地を中心に今夏より先行してスタート予定だ。
USENが業務店向けBGMサービスを提供する店舗は62万件に達する。また、月7,000~1万がオープン店となるため、そこに強く営業人員を投入できる。USEN-NEXT HOLDINGS 金融サービス企画室シニアマネージャー 姥貝徳尚氏は、「決済手数料は非公表ですが、料率的にも競争力はあると思います」と自信を見せる。さらに今秋以降は、USENが提供するタブレットPOSレジにて利用者のQRコードを読み取る決済や、アルメックスが提供するスマートKIOSK(自動精算機)での支払いなどを提供する予定だ。
当面の目標は、「Alipay」、「WeChat Pay」のプラットフォーマーとして№1の立ち位置になることを掲げる。売上は、単年で数十億を想定しており、同分野でのリーディングカンパニーを目指す。