2019年5月15日8:00
アリペイジャパンは、2019年5月13日、Alipay(アリペイ)の国内の加盟店が30万店を突破したと、東京パレスホテルにて「モバイルQRコード決済&インバウンド 地方創生フォーラム」で講演したアント フィナンシャル サービスグループ 取締役会長兼CEO エリック・ジン(Eric Jing)氏が発表した。また、アジア9カ国の10億人のユーザーを日本に送客させたいとした。
国内では加盟店数30万店、昨年の5倍増加
ジン氏によると、Alipayの立ち上げ初日から日本との深い関係があったという。最初の取引は横浜で中古のデジタルカメラを中国に販売する仕事であり、バイヤー(購入者)とセラー(販売者)の信頼関係を構築するため、同社が仲介者となり、取引の摩擦をなくしてきた。
2011年からはオンラインのマーケットプレイスに加え、オフラインでもビジネスの展開を開始。現在、中国では、露天商、レストラン、バス、公共サービス、医療など多様なサービスで利用されるようになっている。たとえば、エベレストのふもとにあるテントの販売店舗でもAlipayで支払いができる。かつては1日かけて金融機関に出向く必要がある僻地だったが、デジタル決済でその負担を軽減させた。また、バスでは2,000万人、公共サービスでは4人に1人がAlipayのアプリを介して利用している。
Alipayにより、加盟店では、決済後も顧客との関係を保つことが可能となった。デジタルマーケティングを展開するとともに、融資や会計サービスなどを提供することもできる。
日本では2015年10月にAlipayのサービスを開始して、今現在は30万以上の加盟店を獲得している。これは、昨年から比較して5倍の成長だという。中国人観光客の旅行時には、位置情報の活用により近隣店舗を案内し、決済完了後も適切な商品をレコメンデーションして顧客に紹介可能だ。また、旅行サイト「Fliggy(フリギー、旧Alitrip)」やECモールの「Tモール(天猫)」といった、グループサービスとの連携により、旅前から、旅中、旅行後まで、顧客との接点を持つことができる。
10億人のアクティブユーザー、年2億人増加
なお、Alipayでは、香港の「Alipay HK」、韓国の「kakaopay」、インドの「paytm」、タイの「truemoney」、マレーシアの「Touch’n Go」、フィリピンの「GCash」、「インドネシアの「DADA」、パキスタンの「easypaisa」、バングラデシュの「bKash」というグローバルの9つの戦略パートナーとともに、これからより多くのアジア人消費者を日本に誘致したいと考えている。同社では戦略パートナーと合わせてアジア各国で10億人以上のアクティブユーザーにサービスを提供しており、その数は年2億人増え続けているそうだ。
今後は、モバイルQR決済サービスを通じて訪日客の利便性を高めて、アジア10億人の消費者を日本に誘致し、インバウンド消費をさらに促進させたい考えだ。