2020年5月26日8:00
2019年9月20日~11月2日まで国内12会場で開催された「ラグビーワールドカップ2019日本大会」は、日本代表の活躍などにより想像以上の盛り上がりで幕を閉じた。ラグビーワールドカップ2019日本大会のワールドワイドパートナーであるMastercardに、大会会場でのクレジットカードの利用状況、大会の活性化に向けた取り組みについて説明してもらった。
―—ラグビーワールドカップ2019についてご説明いただく前に、Mastercard様では新型コロナウイルス感染防止の対応についても熱心に取り組まれていますね。
Mastercard:Mastercardでは、昨今の新型コロナウイルス拡大を踏まえ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、Wellcome(ウェルカム)とともに、治療法の特定・評価・開発・拡大により新型コロナウイルス感染症の流行への対応を迅速化するため、最大1億2,500万ドルの資金提供を行うと発表しています。
また、対面での支払い時の衛生面の強化に注力しています。例えば、非接触カード発行で発行会社と協力すること、また、加盟店が利用者からサインをもらわずに決済を完了できるようにするなど、加盟店の従業員やカード利用者が POS 端末やレシート、署名用のペンなどに接触するリスクを極力減らせるよう、サポートしています。
ラグビーファンが大会や選手を身近に感じる企画を実施
―—2019年に開催されたラグビーワールドカップは、予想以上の成功となりました。Mastercard様のブランディングにもプラスになったのでは?
Mastercard:Mastercardは、2011年からワールドワイドパートナーとしてラグビーワールドカップに携わってきました。世界中のラグビーファンにとって、まさにpriceless(プライスレス)な大会であり、Mastercardにとって重要なスポンサーシップのひとつとなっております。
昨年日本で開催された2019年大会においても世界からいらした多くのカード会員様、パートナー企業の皆さまに、Mastercardプレイヤーオブザマッチ(最優秀選手賞)のプレゼンターやスタジアムツアーなど、ラグビーファンが大会そのものや応援する選手をより身近に感じることができる企画「pricelessな体験」をご提供させていただき、このスポンサーシップがもたらす付加価値を体験していただき、ご好評をいただきました。
Mastercardコンタクトレス対応端末を整備
――開催都市のスタジアムや自治体等との協力もあったと思いますが、会場でのMastercardブランドの利用状況はいかがでしたか?
Mastercard:Mastercardは、“A World Beyond Cash(現金を超えた利便性の高い社会)”の実現を目指し、Mastercardのブランドにこだわらず、どなたでもどのカードでも決済していただけるようにしております。数字ではお答えできませんが、国内外の多くのラグビーファンの皆さまにMastercardのカードをご利用いただきました。また、会場にてグッズや飲食を販売する全店舗(一部を除く)でMastercardコンタクトレスに対応した決済端末を完備させていただくことができ、関係各所の皆さまの多大なるご協力をいただきました。
―—「Mastercardコンタクトレス」の利用状況についてご説明ください。
Mastercard:ワールドカップ開催前に一部のスタジアムを除けばクレジットカード決済環境がほとんどないところからスタートし、開催時には大会のキーロケーション全域においてコンタクトレスカードでの決済ができる環境を整え、訪日外国人の方にも不自由なくコンタクトレスをお使いいただけました。
自治体でのクレジット利用件数で成果も
――実際に国内の会場周辺加盟店での消費も活性化されましたか?
Mastercard:申し訳ございませんが、加盟店様のご状況は弊社ではお答えできません。ラグビーワールドカップ会場周辺にあるショッピングモールや自治体と協力してイベントを行わせていただいたので、少しは消費の活性化に貢献できたのではないかと思います。
例えば、福岡市の観光・MICE 2020年版(福岡市観光統計)によると、ラグビーワールドカップ開催時にワールドカップ開催国・地域から福岡市を訪れた外国人のクレジット消費額は、前年度と比べ約1.7倍に上がり、クレジット利用件数は約2.5倍となったとのことです。特に飲食店・レストラン(居酒屋を除く)の伸び率は顕著で、決済額は前年度に比べ、約3.7倍、決済件数は5.4倍であったとのことです(Mastercard以外のブランドも含む)。
チケット販売におけるMastercardのシェアは70%を超える
――ワールドカップの事前に行われたキャンペーンの反響についてお聞かせください。
Mastercard:大変多くのご応募をいただき、大きな反響があったと認識しております。観戦チケットが抽選販売であったため、当社の「Mastercardならラグビーワールドカップ2019チケット当選確率が2倍」キャンペーンによる効果によって、チケット販売におけるMastercardのシェアは70%を超えました。
また、地方におけるイベントや、空港や都内各所、タクシーなどへ広告掲載、ソーシャルメディアでの告知を行わせていただき、多くの反響をいただきました。特にワールドカップ会場周辺にあるショッピングモールや自治体と協力して行ったイベントには多くのファミリーにご参加いただき、ラグビーワールドカップの雰囲気を楽しんでいただきました。
優先レーン、特設カフェ、プリペイド発行も
――新宿のオフィシャルショップではMastercard優先レーンも登場しました。その利用についてはいかがでしょうか? また、開催期間中には「Marunouchi Rugby Café」をオープンされましたね。
Mastercard:優先レーンに置かれた無人の決済マシンは珍しさもあいまって大変ご好評いただき、多くのカード会員様にご利用いただけました。
また、三菱地所様と共同で「Marunouchi Rugby Café」(丸の内ビル、東京都千代田区)を、2019年9月20日開幕戦当日から11月2日までのワールドカップ開催期間中にオープンしました。ワールドカップが開幕した20日にはキックオフイベントを開催、その後共同で複数のイベントを開催したことにより多くのラグビーファンの方々や、今回のワールドカップで話題になったにわかファンと呼ばれた今回初めてラグビーにご興味を持たれた方々にもご利用いただくことができました。丸の内という立地、ラグビーとの親和性もあいまって、大変多くのお客様にご利用いただき、ピーク時にはお並びいただくほどご来店いただきました。
――三井住友カードと連携して、大会を記念した限定の「ラグビーワールドカップ2019 プリペイド」を発行されましたが、反響はいかがでしたでしょうか?
Mastercard:限定販売にもかかわらず、多くのお問合せをいただき、当初に予定した数量を完売いたしました。
――ラグビーワールドカップ2019ではさまざまな成果があったと思いますが、最後に、Mastercard様の今後の国内におけるイノベーションについてはいかがでしょうか?
Mastercard:キャッシュレス化が急成長する日本において、便利な電子決済の需要に最適で革新的なプロダクトとエクスペリエンスの設計および提供を強化する予定です。現在はマイク・ブリン(Mike Breen)が日本の組織に新しく設置されたデジタルソリューション・アンド・サイバーインテリジェンスの責任者(Digital Solution and Cyber Intelligence Head)として就任しています。今後は、日本の店舗で消費者中心のデジタルファースト体験を提供することに加え、小売店、金融機関、政府、フィンテック・コミュニティにとって、Mastercardがパートナーとしてポジションをさらに強化していきたいですね。