2021年2月17日18:10
Eストアーは、提供するSaaS型ECサイト構築システム「ショップサーブ」に、購入者のIPアドレスや利用ブラウザ、 行動パターンからクレジットカード決済の不正利用のリスクを判定する「クレジットカード本人認証サービス(3-Dセキュア 2.0)」を2021年5月に開始すると発表した。なお、同サービスの実装に関する発表は、 国内ECベンダーとして初となる。
日本クレジット協会の発表によると、2019年のクレジットカード不正利用の被害金額は256億円にのぼる被害が報告されている。カード所有者を保護する目的から、不正利用などによりカード所有者が利用代金の支払いに同意しない場合、カード会社がその代金の売上を取り消すチャージバックが発生する。ECサイトでこの不正利用によるチャージバックが発生した場合、発送した商品は戻らず、代金回収もできないという、EC事業者にとって深刻な被害となるケースが発生する。
2020年の 同社ECシステムにおいても、1件当たり最高250万円のチャージバックが発生。店舗カテゴリ別には、1位 ファッション・アクセサリー、2位 生活・インテリア・家電、3位 美容・健康と、幅広い分野の店舗において、チャージバックリスクを抱えていることが伺えるとした。
不正利用によるチャージバック被害を回避することを目的に、このほど、SaaS型ECサイト構築システム「ショップサーブ」に、2021年5月、「3-Dセキュア 2.0」を開始することとした。これは、購入者のIPアドレスや利用ブラウザ、行動パターンと購入情報を照らし合わせ、不正利用のリスクを判定。リスクが高いと判断された取引のみ、毎回パスワードが変化する「ワンタイムパスワード認証」やスマートフォンに搭載された「生体認証」を要求する。同サービスの開始により、認証された注文は不正利用によるチャージバックが発生した場合でも、カード会社が負担するため、EC事業者は不正利用によるチャージバックを回避し、安心して運営できるようになるそうだ。
さらに、 従来の「3-Dセキュア 1.0」では、購入時に毎回パスワード入力の手間があり、かご落ちリスクへの懸念もあったが、同サービスでは、多くの場合、リスク判定のみでフリクションレスに購入完了できるため、かご落ちリスクを最小化することができるという。ショップサーブでは、このカゴ落ちリスクを鑑みて、 「3-Dセキュア 1.0」の導入を見送り、「3-Dセキュア 2.0」の導入に至った。
「3-Dセキュア 2.0」のショップサーブへのシステム搭載は2021年5月時点に完了し、 順次、クレジットカード会社の対応状況に応じ、提供範囲を拡大していく。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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