2011年1月13日8:30
Visaの全世界での取引を分析し不正利用を検知するVAA(1)
Visaの全世界での取引を分析し不正利用を検知
「Visa Advanced Authorization」を国内のイシュアに提案
ビザ・ワールドワイドでは2010年12月から国内のイシュア(カード発行会社)に向け、セキュリティ向上のための不正取引検知システム「Visa Advanced Authorization(ビザ・アドバンスド・オーソリゼーション)=VAA」の採用を進めている。すでに全世界の1,000社が導入し、国内の大手イシュアでも採用された。
0~99までのリスクスコアを搭載
年2回、全世界での不正データを分析
VAAは、国際ペイメントブランドでトップの決済処理件数を誇るVisaの全取引を分析し、通常のカード利用時と著しく異なる購買パターンなど、不正取引の可能性をスコアリングする不正取引検知システムである。Visa Netを通過するオーソリ電文に0から99までのリスクスコアを搭載。数字が高くなるほどリスクランクが高くなり、イシュアはVAAのスコアを参考情報にしてオーソリを判断し、不正な取引を防止する。
Visaでは年に2回、全世界の不正データを分析し、各国のリスクモデルを設定している。実際、国やイシュアごとに不正のパターンはバラバラであり、分析をしないと傾向がつかめないという。VisaではVisa Netを通過する取引で、不正利用が行われた際には必ずイシュアから報告を受けている。また、過去のデータ流出事故情報もデータベースに登録している。そのため、リスクスコアの精度は年々、高まっているそうだ。
「加盟店でカードが利用された際にアクワイアラからオーソリが発生し、Visa Netを通過しますが、Visaの全世界の不正取引情報やデータ流出事故情報をVAAでスコア化し、オーソリのリクエスト電文にのせてイシュアに報告します。イシュアからご依頼があれば、イシュアに報告する前にVisaがNG回答をアクワイアラに報告することも可能です。加盟店で不正利用が行われた際、アクワイアラに過失がない場合は基本的にイシュアが被害額を補てんしますが、VAAを利用していただくことにより、その損失を削減できます」(ビザ・ワールドワイド リスクマネジメント/カントリーリスクダイレクター 井原亮二氏)