2021年9月21日8:00
新生銀行とアプラスは、ネオバンク・プラットフォーム「BANKIT(バンキット)」において、スマートフォンアプリや API(Application Programming Interface)連携を通じたシステムを提供している。2021年8月10日からは新たに「おたすけチャージ+(プラス)」、「非接触決済」、「オンライン本人確認(eKYC)」機能を追加した。BANKITのこれまでの成果と今後の展開について、事業主体のアプラスに話を聞いた。
記事のポイント!
①資金移動業/前払式支払手段発行業の登録があるアプラスが事業主体に
②銀行口座の機能に限らない幅広いサービスの提供が可能
③後払い、分割払い、ローンまで幅広くサービスを提供
④「おたすけチャージ+(プラス)」、「非接触決済」、「オンライン本人確認(eKYC)」機能追加の背景は?
⑤「おたすけチャージ+(プラス)」提供時の強みとは?
⑥非接触決済対応で汎用性が高まる
⑦機能は随時拡充へ、給与受取サービス等も視野に
⑧導入負荷が少ない形で提供し、中心プレイヤーを目指す
導入企業は必要な機能を自由に選択可能に
資金移動をベースにしたサービスを提供
BANKITは、クレジットカード業、資金移動業および前払式支払手段発行業の登録があるアプラスが事業主体となり2020年3月から開始したサービスだ。新生銀行グループが有する決済、為替および与信機能などの金融サービスを「カフェテリア形式(必要な機能を自由に選択できる形式)」で導入企業に提供する。すでに、カルチュア・コンビニエンス・クラブ子会社の CCC マーケティング、スマートフォンメディア事業を展開するセレス、在日外国人向けの金融サービスを提供する3PLATZ(サンプラッツ)との連携が発表されている。サービスを開始しているのはサンプラッツのみとなるが、「公表している企業以外もお声がけいただいている案件は多く、要件を協議中だったり、開発準備している会社など、パイプラインは積みあがっています」とアプラス ネオバンク開発部長 福永耕一氏は成果を口にする。
他のネオバンクと称するサービスは銀行口座を主体にしたサービスが多く、パートナーの抱えるエンドユーザーに銀行口座を開設してもらうことを前提にしたモデルが多い。福永氏は「私どもは資金移動をベースにしたサービスを提供しており、銀行代理業を取得せずに銀行口座の機能に限らない幅広いサービスの提供が可能です」と特長を述べる。
後払い、分割払い、ローンまで幅広く提供
新生銀行グループの与信ノウハウを生かす
APIやSDK(Software Development Kit)によって機能提供するため、すでに自社のアプリを持つ事業者はもちろん、新生銀行グループで開発したアプリをホワイトラベルで提供することもできる。福永氏は「新生銀行グループのサービスをプラットフォーム上に載せて、後払い、分割払い、ローンまで幅広くサービスを提供しようとしています」と説明する。アプラスでは、決済は顧客接点の入り口であると考えており、その商流に必要な与信ビジネス、後払いや分割払いやローンなども含めて提案している。例えば、ローンに関しては新生フィナンシャル、後払い・分割払いはアプラスの与信ノウハウを生かすことができる。
小売であれば、アプリでのQR決済の提供に加え、後払いや分割払いといった与信サービスを付けたり、クーポンやポイントと連携する要望がある。また、外国人やアルバイトを抱えている事業者の場合、給与受け取り、ATMでの入出金ができる仕組みなどの引き合いがある。
後払いで BANKITのウォレットへチャージ可能に
Apple Pay、Google Payにも対応
8月からは、「おたすけチャージ+(プラス)」、「非接触決済」、「オンライン本人確認(eKYC)」の機能を追加した。福永氏は「機能拡充については、基本的にはパートナー企業の強い要望を反映したものになります。パートナーがアプリで完結する決済や金融ビジネスを展開するために求めている機能をサポートしました」と述べる。
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