2022年3月31日17:32
福島県玉川村とNTTデータ、日立製作所、三菱HCキャピタルは、2022年3月29日、玉川村におけるまちづくり、産業、教育、環境、防災、観光等さまざまな分野でのデジタル化推進に向けて、相互に協力する連携協定を締結した。
連携事業の第一弾として、2022年中に玉川村で「手ぶらキャッシュレス実証事業」を実施する。村民に指静脈情報を事前登録してもらい、村内の協力店舗にて、専用端末に手をかざすだけで玉川村の地域商品券の利用を可能とする実証を行う。これにより、現金やクレジットカード、スマートフォン等を携帯することなく、手ぶらでの買い物が可能となる。
玉川村は、福島県南部に位置する人口約6,500人の村だが、人口減少や少子高齢化の加速に伴う労働力不足等の課題をふまえ、2020年から、デジタル技術を活用した新たな事業の創出と、それによる地域振興への取り組みを開始した。玉川村においては、行政のみならず、地域全体にてDXを推進するため、村民が利便性を実感できる事業モデルの展開を図っている。今回、玉川村と地方創生関連事業等にて協力関係にあった三菱HCキャピタルに、デジタル技術の活用で社会課題を解決する検討を進めていたNTTデータと日立が加わり、地方創生、地域活性化にむけた4者連携に取り組む。
日立製作所は、AIやIoT等の先進技術やデジタルソリューションを結集した「Lumada」を活用し、実証第一弾において、生体情報を復元不可能な形に暗号化する独自の生体認証技術「PBI」を用いて、手ぶらでの地域商品券の利用・決済を実現させるという。すでに飲食店での決済やゴルフ場の受付、ワクチン接種証明の本人確認等で適用されている同技術を核に、生体認証の活用領域を「地域」に広げ、新たな価値創出に取り組むそうだ。
同実証実験の後には、玉川村での手ぶらキャッシュレスサービスの実用化を検討するとともに、人口減少対策としての「交流人口・関係人口の拡大」の一助となる観光関係事業へのデジタル技術活用、教育関係事業として、ICT教育や地域の人材育成に関する事業の展開等、キャッシュレス以外の幅広いテーマで、各社が有する知見やテクノロジーを組み合わせた新たな連携事業の検討を進め、玉川村のDXの実現を強力に支援するという。
なお、NTTデータと日立、三菱HCキャピタルは、玉川村での取り組み成果を自治体DXの先進モデルとして、全国の自治体への展開を目指す。
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ペイメントナビ編集部
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