SMBCグループがアジア各国で「マルチフランチャイズ戦略」を展開 三井住友カードは提携戦略に加え、データビジネスも視野に

2022年11月24日6:02

三井住友銀行を中心とするSMBCグループでは、カード、リース、証券といったグループの総合力を生かして国際展開を強化している。同グループでは、11月2日~4日まで開催された「Singapore Fintech Festival2022」(SFF2022)に出展し、アジアでの展開やパートナーとの連携について紹介した。「アジア・セントリック」の実現に向けてアジア展開を強化するSMBCグループの取り組み、グループのカード会社である三井住友カードが果たす役割について話を聞いた。

三井住友銀行 アジア・大洋州統括部 アジアイノベーションセンター 室長 松永圭司氏、三井住友カード マーケティング本部 データ戦略部 戦略企画グループ グループ長 細谷友樹氏、PT Bank BTPN に出向する島田公輔氏

SFF2022でEmbedded SolutionやESGの展示や講演
データ分析支援サービス「Custella」を紹介

三井住友銀行 アジア・大洋州統括部 アジアイノベーションセンター 室長 松永圭司氏によると、SFF2022のSMBCブースは、大きく2つの軸で展示・講演を行った。1つは「エンベデッド・ソリューション(Embedded Solution)」となり、顧客企業のサプライチェーン全体のデジタル化を支援することだ。ファイナンスや決済に加え、FinTechプレイヤーと連携しながら金融を組み込むことで付加価値を提供できることを紹介した。もう1つは、ESG(環境・社会・ガバナンス)となり、脱・炭素化(ディ・カーボナイゼーション)する中で、データをデジタル化してインテグレーションできるかがカギとなるため、実験段階を含めて紹介している。

決済関連のトピックとして、SFF2022では、データ分析支援サービス「Custella(カステラ)」を統括する三井住友カード マーケティング本部 データ戦略部 戦略企画グループ グループ長 細谷友樹氏が同サービスについて講演している。カステラを海外で紹介したのはSFF2022が初となった。

2019年10月にリリースしたカステラは、カード会員や加盟店のデータを分析・活用できるソリューションとしてサービスを広げている。2022年11月には、商圏での出店戦略をサポートする「Custella Maps(カステラ マップス)」の提供を開始した。

日本でもリリースしたばかりの「Custella Maps(カステラ マップス)」を英語で紹介する細谷氏

BtoB企業をデータで支援するカステラの海外展開はグループとしての次のチャレンジとなる。細谷氏は「国内のキャッシュレスは収益率が低下する課題もありますので、次の打ち手としては『データ』と『海外市場』が重要と考えている」と話す。日本で展開する企業が海外の市場調査に活用できることに加え、各国の金融機関とのパートナーシップにより現地の企業で活用してもらえる可能性もある。

また、ペイメントソリューションを現地で提案することはもちろん、獲得した会員を如何に利用促進させるかが重要な要素となるため、「Custellaや、カード会員向けマーケティング施策など、日本で培ってきた金融リテールのマーケティングノウハウを、アジアのリテールバンクへも提供していきたい」と細谷氏は語った。

SMBCグループは「アジア・セントリック」実現へ
金融機関やノンバンクと連携が進む

SMBCグループでは、以前から日本企業のアジア展開をサポートしてきた。2013年4月には、アジア新興国の専門部隊である「新興国戦略本部」を設立するとともに、「グローバルビジネス統括部」を設置した。2014年からは、アジアの周辺各国でSMBCを根付かせることを目指した「アジア・セントリック」によるマルチフランチャイズ戦略の拡大に取り組んでいる。すでにインド、ベトナム、フィリピン、インドネシアなどにおいて、金融機関やノンバンクと連携しており、アジアでのビジネス拡大の下地を固めている。SFF2022でもPT Bank BTPN(インドネシア)、Rizal Commercial Banking Corporation(フィリピン)といった銀行、FEcredit(ベトナム)、 Fullerton India Credit(インド)といった連携企業が同社ブースで講演した。

アジアでは、日本以上に金融機関がFinTech企業と連携する動きが進んでいる部分もある。日経企業が着実に根を伸ばしており、現地のサプライヤーとのネットワークを構築し、新規顧客を開拓するケースも見受けられる。その中でSMBCグループの知名度は年々高まっており、金融機関は日本よりも高金利であるため、資金需要が大きいそうだ。

UOBとコーポレートカードで連携
SoftSpaceと国内外でキャッシュレス推進

SMBCグループでクレジットカード事業を担う三井住友カードでは、2014年6月に、現在の「アジア市場室」を設置した。同社では、米国・シリコンバレーにも拠点を設けており、Square、StripeといったFinTech企業との連携を実現させてきたが、2020年を境にビジネスの主戦場はアジアに移行すると考え、取り組みを強化している。現アジア市場室の立ち上げメンバーの1人で、現在はPT Bank BTPN に出向する島田公輔氏は「最近のトレンドとして、インベスト(投資)マーケットはアジアに来ており、シンガポールでファンドライズするとアジア地域全体に広がる傾向があります」と話す。

これまでの成果として、島田氏は東南アジア2社とのパートナーシップを挙げた。1つはシンガポールの金融機関であるUOB(United Overseas Bank )との連携によるコーポレートカード(クレジットカード)発行だ。SMBCの顧客企業が現地でコーポレートを発行する際にUOBに紹介し、コ・ブランドカードとして提供している。島田氏は「現地ではイシュイングビジネスを行っていませんが、コアパートナーとして連携しています」と説明する。

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