2022年12月23日8:30
住信SBIネット銀行は、「IDデータ事業」を行うテミクス・データを2022年8月1日に設立し、2023年1月5日より新たなデータプラットフォームサービスを開始すると発表した。
住信SBIネット銀行がこれまで培ってきたデジタルバンク事業、BaaS(Banking as a Service)によってパートナー企業へ銀行機能を提供する「NEOBANK」事業に加え、アライアンス企業から連携した人が利用に同意した個人データを活用した、新たなデータプラットフォームサービスを開始するという。
住信SBIネット銀行は、2021年5月19日の改正銀行法成立により業務範囲の規制緩和がなされたことを受け、新事業の検討を開始した。2022年7月6日、金融庁より認可を受け、新事業を行うテミクス・データを広告及び情報の分析/提供を行う「銀行業高度化等会社」として設立した。
テミクス・データの「テミクス」とは、ギリシャ神話の公正の女神・テミスの名前とデジタルトランスフォーメーション(DX)を掛け合わせたもので、データによる公平・公正な社会を目指すという思想を表している。
2022年4月の個人情報保護法改正や、プライバシー保護重視の潮流に伴うサードパーティクッキーの廃止、デジタルプラットフォーマー規制等、データを利用したマーケティング活動が新たなステージに進むなか、テミクス・データは、「個人データは個人のものである」という信念に基づき、データ活用の透明性を図るべく、お客さまからマーケティング利用に対する同意を得た「同意取得済みデータ」を活用したプライバシー保護を最優先としたサービスを行うそうだ。
パーソナルデータの利用同意と取得を適切に行い、高セキュリティなシステム環境のもと、お客さま向けサービス「テミクス・パーソナル」、企業向けサービス「テミクス・プラットフォーム」を提供するという。
「テミクス・パーソナル」では、SNSサービスやメディアを通じて接触する広告が、自身の興味関心やライフスタイルなどに寄り添ったものとなり、有益な情報を得る機会を増やす広告表示サービスを提供する。
また、データ連携に同意した場合、テミクス・データに連携された「同意取得済データ」は、住信SBIネット銀行の顧客情報管理の仕組みを応用して開発した環境で保全する。また利用者のデータの利用状況やデータ項目をいつでも確認でき、データの利用停止等をコントロールするダッシュボードを提供する。
さらに、テミクス・データと連携する企業等との特別なサービス体験や、事業収益の一部をデータの所有者であるお客さまにポイント等で還元していく計画だ。
企業向けサービス「テミクス・プラットフォーム」では、住信SBIネット銀行の利用者をはじめ、個人データの利用に同意した人のデータや、さまざまな業態のパートナー企業から連携された利用者による利用同意をもらっているファーストパーティデータを活用し、IDベースでのインターネット広告出稿や分析、各種施策実行等、広告出稿を行う企業のマーケティング課題に即したマーケティングサポートを行う。
広告出稿を行う企業の課題やニーズに合わせ、データセグメントを構築。IDベースのデータを活用し、狙いたいターゲットや潜在顧客に的確にリーチし、広告効果・効率の向上を図るそうだ。
また、テミクス・データが活用するデータは、利用者より個人データの利用同意を得たデータのみとなり、かつ、銀行水準のセキュリティの高い環境にてシステムを提供するそうだ。広告出稿を行う企業は安心して自社マーケティングを行うことが可能だ。
さらに、新事業を行うにあたり、多様な企業とのアライアンスを積極的に推進していく。
例えば、CCCMKホールディングス(CCCMKHD)との資本業務提携を締結。CCCMKHDが有するデータマーケティングの知見を活かし、サービス開発・提供を行う。東芝データとは、資本業務提携に向けて協議を進めている。東芝グループが持つ優れたセキュリティ技術とノウハウを基盤に、「スマートレシート」で取得した購買データ等のデータ連携を開始する予定だ。第一生命保険は、すでに発表しているNEOBANK事業の協業準備を進めている。第一生命は、テミクス・データに対する出資の検討を開始した。
SBI証券は、すでに協業を行っているNEOBANK事業との連携をベースに、協業の可能性について検討を開始する。
また、従来よりパートナー関係を有するNEOBANK導入企業や、SBIグループ各社とは、同事業を通じて、利用者に新たな顧客体験を提供すべく、連携を目指す。
今後の展開として、2023年1月5日、同社の「個人情報のお取り扱い」規約の利用目的の変更を予定している。テミクス・データが提供するサービスも同日より順次ご案内し、テミクス・パーソナルの利用規約に同意した人へサービスの展開を開始する。また2023年春頃を目安に、東芝データ「スマートレシート」利用者に対して、テミクス・データのサービス紹介およびサービス利用に同意した人のデータ連携を進めていく。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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