2023年5月8日8:00
約3,800万人のANAマイレージクラブ会員を有するANAグループは、貯めたマイルを日常生活でも活用しやすいサービスの強化に乗り出した。顧客ニーズの多様化に対応し、ショッピングなど会員それぞれの生活シーンに合ったマイルサービスに取り組む。大幅刷新した新アプリなどを通じてデジタルとリアルをつなぎ、ANA経済圏の拡大と「マイルで生活できる世界」を目指す。
通販研究所 渡辺友絵
記事のポイント!
①他社ショップも参加するECモール「ANA Mall」
②会員の生活シーンに合ったマイルサービスへ
③「ゲートアプリ」でANA経済圏拡大
④アプリに搭載した「ANA Pay」を刷新
⑤「顔認証スタンプラリー」を実施
⑥顧客ニーズに合わせたマーケティング活動へ
⑦ノンエア主要7社で売上高4,000億を目指す
⑧経済圏拡大に向けた課題とは?
■日常生活でのマイル利用を促す初のECモールをオープン
2023年1月、ANAグループのANA X社は“旅と日常がつながるECモール”をコンセプトに、新たなECモール「ANA Mall」をオープンした。ショッピング金額100円につき1マイルが、ANAカード決済ならば倍の2マイルが貯まり、1マイル1円相当として利用できる。
マイルを貯めたり使ったりできるECショップとしてはANAグループ直営店の「ANAショッピングA-style」などがあるが、他社ショップも参加するECモールの開設は初めて。「ANA Mall」にはグループの直営店に加え、大手通販のディノスやスーパーの成城石井など26ショップ(23年4月時点)が出店。ファッションや家具、家電、食品、地域特産品など多彩な商品を展開している。
これまでマイルを貯める会員の目的は航空券や旅行商品が主だったが、ライフスタイルやニーズが多様化するにつれ、買い物など日常生活でのマイル利用も需要が増えると判断。「ANA Mall」を「ANA経済圏拡大のドライバー」(同社)と位置づけ、それぞれの会員の生活シーンに合ったマイルサービスに取り組む。
■既存アプリを大幅刷新、サービス利用の入り口となる「ゲートアプリ」へ
ANA経済圏の拡大を支えるのが、各種サービス利用の入口となる「ゲートアプリ」だ。2022年10月にそれまでの「ANAマイレージクラブアプリ」を大幅リニューアルし、ゲートアプリへと進化させる構想を発表。マイルの管理だけでなく決済機能やEC機能もミニアプリとして取り込み、ANA経済圏拡大につなげるスーパーアプリを目指すとした。
アプリに搭載した「ANA Pay」も刷新し、2023年5月にスタート予定の新しい「ANA Pay(タッチ払い)」ではチャージおよび支払い手段を大幅に拡充する。チャージは既存のクレジットカードに加え、銀行口座やATMにも対応する予定。支払い手段は現在のQRコード払いに加え、タッチ払い、バーチャルプリペイドカード払いが可能となる。
1マイル=1円相当からチャージでき、ECサイトなどANA経済圏でマイルが通貨のように使えるようになる。「マイルを貯める・使う」機会を街中やネット上で拡大し、「マイルで生活ができる世界」の実現に向けて取り組む。航空券に必要なマイルを貯めきれないライトユーザーにとっては、一段と利便性が高まる。
■来店時にマイルが貯まる実験を通じ顧客ニーズを取り込む
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