2023年5月12日12:40
富士薬品は、富士薬品グループが運営する「セイムス」をはじめとするドラッグストアにおいて、パーソナルプロモーション事業・データ解析事業を手掛けるマギーの提供する、購買体験をパーソナライズする店頭ストアメディア機「セイムスタッチ」の全店導入を決定したと発表した。まずは、2023年9月末までにドラッグユタカを除く全923店舗への導入を進めていく。
「セイムスタッチ」は、利用者の過去の購買データをAIが学習し、その日に使える顧客一人ひとりに最適なクーポンを発券する。2022年8月から東京都・千葉県の一部店舗(204店舗)で試験的に導入しており、その結果を受けて、このほど全店への導入決定となった。
「セイムスタッチ」は、セイムスに会員登録した人の会員情報(属性)と過去の購買データ(ID-POS)から一人ひとりの購買傾向をAIが学習し、その日に使える顧客に最適なクーポンを発券するものだ。端末には液晶サイネージも付いるので、新商品のキャンペーン情報やリピート購入の促進など、クーポンと動画を使った顧客ごとに最適なプロモーションを展開していく。セイムス会員は、来店客の約70%を占めるため、「セイムスタッチ」で顧客の購買体験のパーソナライズ化を実現することで、ロイヤルカスタマーの拡大が期待できる。
試験導入の期間に行った検証では、来店頻度や1人当たりの買い上げ金額などの改善や、各メーカー様の商品のリピート購買率が向上したほか、キャンペーンやサンプリングの投資効率の改善にも効果が見られたそうだ。
顧客は、店舗に入店したらすぐ、入り口に設置された液晶サイネージ付きの端末に店舗会員カード(セイムスカード)または店舗会員専用アプリ(セイムスアプリ)の会員バーコードをタッチすることで、AIが選んだ“その日に使える自分だけのクーポン”を入手できる。
なお、新規会員をはじめ、十分な購買履歴が存在しない場合でも、同様の購買体験ができるよう、専用の企画を準備している。
富士薬品ドラッグストアグループにおける「セイムスタッチ」の導入は、2023年6月末までに関東圏の全店導入、2023年9月末までにドラッグユタカを除く全923店舗への導入が完了予定だ。今後は、学習した購買傾向から把握した顧客のニーズをふまえ、取引先メーカーと連携し、クーポンの拡充とより魅力的なパーソナルプロモーションを展開していく。また、「セイムスタッチ」の認知と利用拡大に努め、2024年3月までにセイムス会員のタッチ率5割を目指す。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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