北海道の7割の世帯が利用する共通ポイント「EZOCA」の目指す世界とは?

2023年6月9日9:00

サツドラホールディングスのグループ企業であるリージョナルマーケティング(RM)は、「地域の魅力的なヒト・モノ・コトをつなぎ、さらに輝かせるプラットフォームになる。」をコンセプトに掲げ、北海道共通ポイントカード「EZOCA(エゾカ)」を展開している。現在、道内の人口カバー率は4割を超えており、会員層の中心となる30~50代女性以外の利用者も伸びている。また、北海道の自治体やスポーツクラブとタイアップした独自券面の展開も進める。RMでは自社でアクアイアリング(加盟店開拓)を行うQRコード決済と合わせた導入により、一台で決済もポイントも提供できる環境整備を進めるとともに、利用者に対してはスマートフォンアプリ「EZOCA公式アプリ」の利用を促す方針だ。

リージョナルマーケティング 代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)渡部真也氏

人口では北海道の4割強のカバー率に
QR決済端末「StarPay」にEZOCA機能実装

EZOCAは、2014年6月に会員数17万5,000人、提携店33社276店舗でEZOCAサービスを開始。当初は、「サツドラ」の顧客層をベースとしていたが(参考記事)、現在は210万会員を超え、約1,000店舗で利用可能だ。RM 代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)の渡部真也氏は「人口で北海道の40%、世帯カバー率7割となりました」と成果を述べる。

北海道で貯まり、使える共通ポイント「EZOCA」

EZOCA会員の構成として、30~50代の女性が62.4%となっている。以前は約7割を占めていたが、現在はより幅広い層に保有してもらえるようになってきた。現状、カード会員の65%がサツドラグループでの利用だが、今後はその比率が下がると見ている。なお、サツドラの次に大きな加盟店はホクレンショップとなっている。

コロナ禍でEZOCA会員の来店頻度が下がり、影響を受けた時期もあったが、コロナ前の状況に戻りつつあるため、会員数と利用のさらなる伸びに期待している。

加盟店舗は北海道内が中心だ。全国の都道府県で一番広大な道内の営業は難しい部分もあり、地域によって濃淡があるという。例えば、店舗が集積する札幌ではEZOCAの利便性を享受できているが、まだ十分に浸透していない地域もあると認識している。

また、EZOCA加盟店によっては他の共通ポイントもあわせて導入しているところもある。例えば、サツドラではEZOCAもしくは「dポイント」を選択して貯めることが可能だ。消費者の利便性を考えて、マルチポイントの採用は許可しているが、EZOCAではより選ばれる共通ポイントを目指している。

店舗が一台の端末で便利に決済ができ、ポイントを貯められる環境の整備にも力を入れる。RMでは、2022年3月にネットスターズと資本業務提携を締結。国内と海外のQRコード決済サービスの代理店業務も行っているが、キャッシュレス決済端末「StarPay」とEZOCAの連携を行っている。渡部氏は「QRコード決済で口座のある北海道内8,000店舗でEZOCAを導入できるようになり、一台の端末でイニシャルコストをかけずに設置いただけます」と話す。

江差町や小清水町でオリジナルカード発行
スポーツチームとの連携カードは高利用率に

RMでは、地域や市町村、提携店と協力し、地元で使われたポイント手数料の一部を地域に還元する「EZOCA地域還元プログラム」を立ち上げている。例えば、江差町とはEZOCAとして初の地方自治体オリジナル版「江差EZOCA」を作成し、現在は町民の8割が保持するカードとなった。小清水町でも「小清水EZOCA」を作成し、2023年1月20日から利用を開始したが、2週間で町民4,000人のうち約3,600人が会員となった。なお、小清水町では、1人5,000円分のポイントを付与することで町民による地元経済の振興を図り、買い物金額の売上の一部を町に還元する仕組みを導入している。RMでは、ほかにも複数の自治体とオリジナル版EZOCA発行に向けた話を進めている。

また、北海道のスポーツチームと提携店協力のもと各チームのオリジナルEZOCAを作成し、ポイント手数料の一部をチームの強化費などに還元する「EZOCAスポーツチーム還元プログラム」を2015年から実施している。現在、北海道コンサドーレ札幌(Jリーグ)、レバンガ北海道(Bリーグ)、ヴォレアス北海道(Vリーグ)、北海道十勝スカイアース(サッカー地域リーグ)、ひがし北海道クレインズ(アジアリーグアイスホッケー)と連携し、独自デザインのEZOCAを発行している。

コンサドーレEZOCA。初めて1,000円以上チャージされた人へ、もれなく100円分のプレミアを付与

例えば、コンサドーレEZOCAは全体平均の1.3倍、スカイアースEZOCAは2倍の利用がある。また、コンサドーレの本拠地である札幌ドームではスタジアムでのEZOCA、電子マネー「EZOマネー」利用が進むメリットもある。さらに、クラブのスポンサー企業がEZOCAに加盟するなど、相乗効果を生んでいる。渡部氏は「スポーツチームとの連携は、地域活性化に協力して取り組むEZOCAらしい取り組み」だとした。

アプリ提供でカードレス化を図る
地域のIDとしての活用も視野に

今後は、EZOCAのアプリ化を進め、カードレス化を加速させたい考えだ。すでにサツドラアプリはEZOCAに対応しており数十万の人が利用しているが、2023年2月に「EZOCA公式アプリ」をローンチした。会員数も想定通りに伸びており、男女比も半々とバランスが取れている。

EZOCAのポイントカードがスマートフォンで利用可能なEZOCAアプリ。dポイントも選択できる

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