東急電鉄がタッチ決済対応カードを認証媒体として活用、内回り方式で通信品質向上やセキュリティ強化へ

2023年8月31日8:00

東急電鉄の田園都市線で「クレジットカードのタッチ機能」および「QRコード」を活用した乗車サービスに関する実証実験が始まった。利用者はスマートフォン1台で場所を選ばず、さまざまな乗車券を購入でき、クレジットカードのタッチ機能やQRコードで乗車可能だ。なお、東急電鉄では南海電鉄に続いて「社内内回り方式」によるタッチ決済の運用を行っており、通信品質向上やセキュリティ強化を図っている。

スマートフォンに表示したQRコードをかざして乗車

多様なライフスタイルに対応
移動創出や沿線活性化へ

東急電鉄では、通勤を中心としたライフスタイルから多様なライフスタイルへの対応を進めている。具体的には、あらゆる人や目的に応える鉄道サービスに加え、デジタル化を捉え、ハードのみならず、ソフト連携を活用したサービスを進める。今回のQRコードやタッチ決済の取り組みもその1つとなる。具体的には、「いつでも、どこでも、お得に」だ。普通乗車券、定期券を軸にしつつも企画乗車券のようなさまざまな乗車券・商品をデジタルの力を活用して、思い立った時に自宅や外出先などでも購入できて、既存商品よりもお得感のある商品を提供する。迅速に街のコンテンツと連携した商品を造成することで、顧客ニーズの変化に対応した、多様なライフスタイルに応えるサービスを提供する。これにより、さらなる移動創出、沿線活性化を図る。

新たにサービスを開始したデジタルチケットサービス「Q SKIP」は、まずは田園都市線全駅からスタートし、冬にはその他の主要路線でも展開する。世田谷線、こどもの国線も来春には整備を終え、年度内にはほぼ全線に専用改札機を用意する。なお、新横浜駅も含め、当初より全線での有人窓口での個別対応については、可能な体制でスタートする。

事前で購入するサービスから先行して開始した理由として、1つ目は同社のスローガンとして「人へ、街へ、未来へ。」があり、もっと人や街とつながるように早期に取り組んでいる。2つ目は、販売中のワンデーパスなど、企画乗車券の使い勝手を向上させ、さらなる需要に応えるためだ。3つ目は、事前購入型の企画乗車券は提供範囲を限定できるため、段階的に取り組めることが大きい。東急電鉄 広報・マーケティング部 統括部長 稲葉弘氏は「全社への受け入れ態勢を整えた後で、後払いの展開を考えていきたい」とした。

東急電鉄 広報・マーケティング部 統括部長 稲葉弘氏

デジタルチケット「Q SKIP」提供
QRコードとクレジットカードで企画乗車券

具体的な利用の流れとして、利用者は、デジタルチケットサービス「Q SKIP」の販売サイトより会員登録(初回のみ)する。登録後、商品を選択し、数量を決めてカートに入れ、注意事項を確認したうえで購入する。利用日当日は、メニューから自身のチケットを選択し、使う商品を選択し、利用開始ボタンを押すとQRコードが表示される。QRコードで乗車する場合にはこの券面を専用改札機にかざして乗車できる。クレジットカードのタッチ機能で乗車する場合は「クレカタッチで使う」ボタンを押して設定を行うと、購入時に使用したタッチ決済対応のカードが利用可能だ。

デジタルチケットサービス「Q SKIP」
表示されたバーコードは1分間有効
タッチ決済対応カードでも利用可能

国内初タッチ決済対応カードを認証媒体に
2024年春以降はタッチ決済でそのまま乗車開始

「Q SKIP」販売サイトは、東急のDX特別組織「URBAN HACKS(アーバンハックス)」が構築した。事前決済に加え、乗車手段は利用者が選択する。日本信号はQR認証とデジタルチケット管理のシステムを構築した。利用者が改札を通過すると2つのシステムと「クレカタッチの認証クラウド」が連携する。「クレカタッチの認証クラウド」はQUADRACが構築している。

タッチ機能に対応したクレジットカードを使用した改札機の通過サービスは、三井住友カードの提供する公共交通向けソリューション「stera transit(ステラトランジット)」を活用している。アクワイアリングは、Visaブランドが三井住友カード、JCB、American Express、Diners Club、Discoverがジェーシービー(JCB)となる。

「クレジットカードのタッチ機能」および「QRコード」に対応した改札機

三井住友カードでは、2020年から国内の交通機関向けにタッチ決済サービスを展開している。「stera transit」は現在、81事業者が導入しているが、三井住友カード Transit事業推進部長 石塚雅敏氏は「今期末には120社に導入見込み」だと話す。タッチ決済を認証媒体として自動改札機で読み取る取り組みは国内初であり、海外でも事例が少ないそうだ。

三井住友カード Transit事業推進部長 石塚雅敏氏

ジェーシービー 加盟店本部 加盟店営業統括部長 金澤有記氏は「首都圏でこの規模でタッチ決済に対応するのは初となり重要です。移動の面での検証に加え、沿線の流通や消費の動向を捉え、利用者のニーズに応えるサービスを展開していきたい」と意気込みを見せた。JCBのタッチ決済は国内46事業者が導入している。

ジェーシービー 加盟店本部 加盟店営業統括部長 金澤有記氏

日本信号 AFC営業部 部長 島村徳義氏は、「移動をますます楽しくできるようにしていきたい」と語る。

日本信号 AFC営業部 部長 島村徳義氏

QUADRACでは、クレジットカードのタッチ決済機能を活用した交通乗車サービス「Q-Move」を2020年11月から提供している。QUADRAC 営業部 部長 高野泰典氏は、「実証実験を通して、ニーズや課題を深掘りしてより良いサービスにしていきたい」と話す。

QUADRAC 営業部 部長 高野泰典氏

「Q SKIP」では、8月30日から「田園都市線・世田谷線 ワンデーパス」(680円)、「田園都市線・世田谷線・東急バス ワンデーパス」(1,000円)、「世田谷線散策きっぷ」(380円)を販売している。世田谷線に関しては現状対応改札機が設置されていないため、当面は駅係員が目視で確認する。

今後、「Q SKIP」販売サイト上で取り扱い開始を予定しているサービスとして、改札の整備に合わせ2023年冬から東急ワンデーパスをはじめとする企画乗車券、および東急線沿線のおでかけ施設や東急グループの各施設と乗車券のセット、2024年度には有料座席指定サービス「Q SEAT」の座席指定券を販売する予定だ。また、前述のように、2024年春以降はタッチ決済などの後払い乗車サービスを提供する。

東急では、オープニングキャンペーンとして2023年8月30日~10月31日まで「Q SKIPオープン記念50%キャッシュバックキャンペーン」を実施。同期間中、同サイト内で購入した合計金額の50%をキャッシュバックする。

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